化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

理系の筆者が化学系の用語や論文、動画、ノウハウなどを紹介する化学ブログ

物理化学

【物理化学】理想気体の混合の各変化

理想気体の混合の変化 2つの系に入ったmolの気体Aとmolの気体Bの混合を考える。 ここでどちらの系も温度、圧力であるとする。ここでは気体を理想気体とする。 ここでは混合前を、混合後をで表す。 混合前の状態では、それぞれの気体の化学ポテンシャルは以下…

【物理化学】ギブズ-デュエムの式:示強性変数の変化に関する式

ギブズ-デュエムの式(ギブス・デュエムの式) 2成分の混合物のギブズエネルギーは以下の式で与えられる。 この全微分は以下のようになる。 この式を次の多成分系のギブズエネルギーの全微分式と比較する。 このようにして次のギブズ-デュエム式(Gibbs-Duhem式…

【物理化学】化学ポテンシャル(部分モルギブズエネルギー)

化学ポテンシャル(部分モルギブスエネルギー) 部分モル量は、体積以外の示量性の状態量について定義することができる。 溶液を構成する物質については成分の部分モルギブスエネルギーは、その成分の化学ポテンシャルとして以下のように定義することができる…

【物理化学】部分モル体積の求め方の図的方法

部分モル体積の求め方 部分モル体積の求め方として、図的方法といわれるものがある。 ここでは、2成分系の場合について考える。この時、平均モル体積は以下の式で求めることができる。 は全体積である。とは成分AおよびBの物質量 (mol)である。とは成分Aおよ…

【分析化学】難溶性固体の溶解度積と共通イオン効果・異種イオン効果

難溶性の塩と共通イオン効果 難溶性の塩の場合、溶解平衡は以下の式の左側に非常に大きく偏った溶解平衡と考えることができる。 難溶性の塩の溶解度積はとすると、以下のように取り扱うことができる。 溶解度積は、それぞれのイオンの濃度が変化した場合でも…

【物理化学】ギブズの相律と自由度・ギブズの相律の導出

自由度 物理化学や熱力学において、系の状態は温度、圧力、モル分率などの組成などの示強性変数によって決定される。こういった変数の中で、系の状態を決定するために自由に(独立に)定めることのできる示強性変数の数を自由度という。 ギブズの相律の導出 こ…

熱放射・キルヒホフの法則・ウィーンの変位則・シュテファンの法則

熱放射と3つの特徴 熱くなった物質が出す電磁波(光)は熱放射といわれる。この熱放射には3つの特徴がある。 1. 熱放射のスペクトルの形は温度のみで決まる。そのため、物質の種類によらない。これをキルヒホフの法則という。 2. 熱放射のスペクトルの最大値を…

【化学基礎】水和のシンプルな解説

水和 物質が水に溶ける場合、その物質の周りには水の分子(H2O)が存在します。この時、水よりも量が少ない方の物質は溶質といいます。溶質と水分子が静電的に引き合って、その溶質分子を取り囲むように水分子が結合する現象を水和といいます。 水は分子全体で…

【化学基礎】疎水性と親水性疎水性相互作用のシンプルな解説

極性分子とは 正電荷と負電荷が偏った分子は極性分子とよばれる。水分子は極性分子の代表例である。極性分子が集合した場合、プラスとマイナスを帯びた部分が引き合うことによって、一定の構造を形成する。特に水分子の場合は、水素と酸素が互い違いに水素結…

【物理化学】蒸気圧降下とラウールの法則・浸透圧とファントホッフの法則

蒸気圧降下とラウールの法則 溶媒に不揮発性の溶質を溶かすと、溶媒の蒸気圧が降下し、その降下率が溶質のモル分率に等しくなる現象をラウールの法則という。 純溶媒および溶液の蒸気圧をそれぞれ、、とし、溶質のモル分率をとする。は溶質の分子数÷溶質の分…

【物理化学】相と分留・蒸留の仕組みについて解説

相 明確な境界によって、他と区別される物質系の均一な部分を相(phase)という。相が気体、液体、固体の状態であるのに対応して、それぞれ、気相、液相、固相と呼ぶ。 純物質の相を純相、2つ以上の成分を含む混合物の相を溶相という。 ただ1つの相からなるも…

【物理化学】凝固点降下と沸点上昇の原理をわかりやすく解説

凝固点降下 溶質が溶媒に溶けて、溶液の凝固点が降下する現象を凝固点降下という。希薄な溶液の凝固点降下度(K)は溶媒固有のモル凝固点降下定数(K/質量モル濃度)と質量モル濃度(mol/溶媒1 kg)の積である。 上の関係を式にすると下のようになる。 溶媒1 kg中(…

熱力学の用語をシンプルに解説(エンタルピー・エントロピー・ギブズの自由エネルギー)

エンタルピー エンタルピーは定圧下における系の熱含量を表す値である。エンタルピー変化が負である場合は発熱反応、正である場合は吸熱反応である。標準反応エンタルピーは標準状態(105 Pa, 298.15 K)において、反応物が生成物になるときの値である。 元素(…

反応速度論:1次反応、2次反応、0次反応、複合反応とは

反応速度論 物質変化の速さ、つまり反応速度を取り扱う分野を反応速度論という。反応速度は、原料や生成物の時間的な変化率の絶対値で示す。 一般的に、物質の濃度は[]かっこで表される。 基本として、1秒間(単位時間dt)に1モル濃度(mol/L)の原料が生成物に…

熱力学の基本: 系と状態量・示量変数と示強変数について

系や示量変数と示強変数について解説している記事です。

固体触媒と表面構造(ステップ・キンク・アドアトム・再構成・表面緩和)

固体触媒では表面が非常に重要です。その表面のモデルやステップ・キンク・アドアトムといった表面構造、再構成・表面緩和といった表面特有の現象について解説しています。

金属触媒(固体触媒)とは?表面積・形態・分散度の解説

固体触媒、特に金属触媒について担持や表面積、形態、分散度について丁寧に解説している記事です。

触媒とは?触媒の定義と求められる重要な要素

触媒の定義と触媒を考えるうえで重要な活性、選択性、寿命、環境負荷について丁寧に解説しています。

触媒の分類(不均一触媒と均一触媒、エネルギー、反応、物質)

触媒の分類 触媒は、様々な基準で分類することができる。ここでは、その分類について取り上げる。 相による分類 触媒の相から気体触媒、液体触媒、固体触媒と分類することがある。 また、触媒の反応場の相と触媒物質の相が異なる場合を不均一触媒、触媒の反…

3つの中和:酸と塩基・正と負の電荷・毒素と抗体

3つの中和 一般的に異なる性質をもつものが混ざり、互いの性質を消しあうことを中和という。特に化学では、酸と塩基の中和、正の電荷と負の電荷の中和、毒素と抗体の中和という意味で使われることがある。 酸と塩基の中和 酸と塩基が反応し、酸の酸性、塩基…

内部エネルギー:静止している物質系の全エネルギー

内部エネルギーとは 内部エネルギーとは、系内の分子全体のエネルギーから系全体がもっているポテンシャルエネルギーと系全体がもっている運動エネルギーを除いたエネルギーである。 内部エネルギーは記号ではやで表される場合が多い。 系内にある物質のもつ…

【状態方程式】圧力×体積=エネルギーであるということ

理想気体の状態方程式 系の圧力を、体積をとする。理想気体の状態方程式は次のように表される。 左辺の単位 この圧力の単位はPa = N m-2 は(N・m)×m-3 = J m-3 と書くことができる。 体積の単位は、m3 である。 よっての単位はJ m-3 ×m3 = Jであり、エネルギ…

電気浸透流:キャピラリーに電圧を印加すると生じる流れ

電気浸透流とは 電気浸透流 (electro-osmotic flow, EOF) とはキャピラリーの両端に電圧を印加したときの溶媒自体の流れのことである。特にキャピラリー電気泳動において起こる。 キャピラリーとして用いるフューズドシリカキャピラリーにアルカリ性の溶液を…

熱力学の第2法則:エントロピー増大の法則・クラウジウスの原理・トムソンの原理

熱力学の第2法則:エントロピー増大の法則とは エントロピーとは乱雑さの程度を表す量である。 そして、熱力学の第2法則はエントロピー増大の法則ともいわれ、膨大な数の粒子が関与しているときには、エントロピー(乱雑さ)が減少する方向には現象は進まな…

エントロピー:系の乱雑さの程度を表す量

エントロピーとは エントロピー (entropy, ) は熱力学的状態量の一つであり、系の乱雑さ、もしくは無秩序さの程度を表す量である。エントロピーが大きいほど乱雑さが大きいということができる。 エントロピーは、1865年にR.J.E. クラウジウス (Clausius) に…

活量係数を求める式:拡張デバイ-ヒュッケルの式・デービスの変形式

デバイ-ヒュッケルの式 デバイ-ヒュッケルの式は活量係数を計算することができる理論式である。しかし、デバイ-ヒュッケルの式は非常に希薄な溶液でなければ適用できない。 デバイ-ヒュッケルの式はイオンiの電荷を、イオンの活量係数を、溶液のイオン強度を…

イオン強度とデバイ-ヒュッケルの極限法則(イオン強度の法則)

水溶液を考えるうえで大切なイオン強度とデバイ-ヒュッケルの極限法則(イオン強度の法則)について丁寧に解説しています。

活量と活量係数・平均活量と平均活量係数

化学ポテンシャルを考えるうえで収容な活量と活量係数とはなにかを解説しています。 さらに化学ポテンシャルと活量の関係、平均活量・平均活量係数についても解説しています。

ルシャトリエの原理:平衡移動の法則

ルシャトリエの原理とは 外部条件の変化と平衡の変化 温度変化の場合 圧力変化の場合 (気体による反応の場合) 平衡に関わる物質の濃度変化の場合 平衡に関わらない物質 (希ガスなど) の濃度変化の場合 触媒もしくは阻害剤を加える場合 アンモニア合成反応の…

チンダル現象:微粒子による光の散乱現象

チンダル現象とは 微粒子による光の散乱現象のことをチンダル現象 (ティンダル現象、チンダル効果) という。 特にコロイド溶液やエアロゾルなどに光を当てたときに、微粒子によって光が散乱されることで、光の通路が光って見える。 このチンダル現象は分子や…