デバイ-ヒュッケルの式
デバイ-ヒュッケルの式は活量係数を計算することができる理論式である。しかし、デバイ-ヒュッケルの式は非常に希薄な溶液でなければ適用できない。
デバイ-ヒュッケルの式はイオンiの電荷を、イオン
の活量係数を
、溶液のイオン強度を
とすると次のように表される。
この式は、1923年にデバイ (Debye) とヒュッケル (Hückel) によって発表された。
また、デバイ-ヒュッケルの式より導かれる"イオン強度が一定であれば、イオンの種類によらず、注目する電解質の平均活動度係数は一定になる"という法則をデバイ-ヒュッケルの極限法則という。
拡張デバイ-ヒュッケルの式
デバイ-ヒュッケルの式よりも、適用できる範囲が広く、イオン強度が0.2程度まで利用ができる式として次に示す拡張デバイ-ヒュッケルの式がある。
と
は定数であり、25℃の水では
は0.51、
は0.33となる。
また、誘電率を、絶対温度を
とするとき、次の式によって異なる温度の
と
を求めることができる。
また、はÅ (オングストローム) 単位の水和イオンの有効半径であり、イオン半径パラメーターともいわれる。多くの一価イオンでは、
は約3であるため、拡張デバイ-ヒュッケルの式は次のように簡略化されることもある。
この式はイオン強度が0.01以下である場合に適用することができる。
デービスの変形式
さらにイオン強度が大きい場合に適応できる式として多くの経験式が提唱されている。そのなかで有名なものが次に示すデービスの変形式であり、イオン強度が0.5程度まで適用できる。