化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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博士課程に進学する前に自問するべき5つの質問

大学生、大学院生で研究室で博士課程の先輩などを見ていると、博士課程がいかに大変かが想像できると思います。しかし、身近に博士課程に進学している学生などがいないと、その違いまでは想像できにくいかもしれません。

そこで、博士課程に進学する前に自問するべき5つの質問を紹介します。博士課程に進学する前に、自分なりの回答を用意しておきましょう。

Q1:博士号を取得したい理由はなにか?

博士課程に進学する理由を整理しておきましょう。

例えば、研究を行いたいという理由であれば、修士課程で企業に就職して研究するという道もあります。たしかに大学と同じような進め方で研究ができないケースなどもあります。しかし、その一方で企業であれば、充分な給与や福利厚生が得られるというメリットもあります。

また、博士号自体は、世の中に存在する大半の職業においては価値はありません。また仕事を行ううえでは博士号といった資格よりも、能力やスキルのほうが重要視されることも少なくありません。
こういった点も踏まえて、博士号を取得したい理由については、自問しておくことが望ましいでしょう。

Q2:キャリア(将来の仕事)の見通しはあるか?

現実的な問題として、大学の教授や准教授になることは年々難しくなっています。特にパーマネント(任期無し)のアカデミアの研究職は非常に競争も激しくなっています。
また企業に目を向けても、企業としては即戦力の確保を重視している企業も多いです。

今、博士課程に進学し、その後のキャリアをどう描けるかは調べておき、考えておくべきです。

もちろん想定通りのキャリアを歩めるケースはまれですが、こんな想定ではなかったと後悔しないように将来の見通しもたてておきましょう。

Q3:生活費はどうするか?

当たり前ですが生きるためには、お金が必要です。生活費は奨学金(借金)から、仕送り、バイトなどいろいろな手段がありますが、どうやって生活費を手にするかは考えておきましょう。

もちろん学振などのお金が支援されるものもあります。ただそういったものは採択率などを確認し、どこまで当てにできるかも頭に入れておきましょう。

また、学士や修士から企業に就職した同級生は、当然充分な賃金を稼ぐため、生活レベルが自分と違ってくることもあるでしょう。
そういったギャップについても覚悟をしておかないといけないかもしれません。

Q4:博士論文までの計画はできているか?

残念ながら、博士号を博士課程3年間で取得できない学生が世の中には一定数います。この要因の1つは、博士号の審査の基準の1つとして上がる査読付きの筆頭著者の論文が博士号の審査までに間に合わないことでしょう。

博士号の規定は大学によりますが、二報や三報以上の論文が採用(accept)されるような計画が必要です。ただ実験が終わればいいというものではなく、論文を書き上げ、査読にまわっている時間も考慮しておく必要があります。
場合によっては、博士論文を書くまでの間に就活などもする必要があるでしょう。

夢のある研究計画は素晴らしいですが、地に足の着いた研究計画を持っておくべきです。

Q5:ストレス・プレッシャーにどのように対処するか?

博士課程の学生への支援は全く充実していません。一方で、博士号を取得できなければ、経歴としては退学(単位取得満期退学となり、認知されている場合もあります)扱いです。就活などでも、スキルや能力が同程度で、博士号を取得できた人と博士号を取得できなかった人のどちらを採用するかで迷った場合には、博士号を持っている人を採用するというケースはあるでしょう。

つまり、博士号を取得しないといけないというプレッシャーやストレスを感じやすい環境が生じます。

さらに、研究というものは、順調に進むことは稀で、思い通りに進まないことのほうが多いです。そういった中で、研究の進捗が出ないことによるストレスや、そういった点を指摘されるゼミの発表などでのストレスも考えられます。

プレッシャーやストレスを感じた時にどのように対処するかは、無事に博士課程を終えられるかどうかを左右するといっていいでしょう。