化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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【理系就活】2025年に求められるスキルと修士・博士課程の過ごし方

2025年版 トップ10スキル

少し古い話ですが、2020年10月に世界経済フォーラムで発表された主にビジネスパーソンに2025年に求められるトップ10スキルの内容を、どこかで目にした方は多いのではないでしょうか。

そのスキルの内容は以下の10種です。

 

引用 World Economic Forum

人によって、多少は捉え方が違うかもしれませんが、日本語にすると、だいたい以下のような感じです。

  1. 分析的思考力とイノベーション(革新)
  2. アクティブラーニング(主体的学習)と学習戦略
  3. 複雑な問題の解決能力
  4. クリティカルシンキング(論理的・批判的思考力)と分析力
  5. クリエイティビティ(創造性)・独創性・問題解決構想性、問題解決戦略性
  6. リーダーシップと社会的影響力
  7. テクノロジーの使用、監視、制御
  8. テクノロジーの設計とプログラミング
  9. ストレスへの回復力、耐久力、柔軟性
  10. 推論、問題解決力、アイデア力

注目したい点としては、

  • 問題解決に関するスキルが半分を占めている
  • 技術やテクノロジーという専門的なスキルよりも、汎用的な幅広く応用できるスキルが上位にある
  • セルフ マネジメント スキルが含まれている

といった点ではないでしょうか。

また、問題解決スキルと技術に関するスキルが、こういったランク付けになっている理由の1つは、最近は技術の革新が早いサイクルで行われていることも理由の1つだと思われます。仮に一度、最先端の技術のスキルを身に着けても、自分自身で学習を継続しなければ、スキルが陳腐化していってしまうでしょう。

修士課程・博士課程の学生が意識したいポイント

さて、現在、修士課程や博士課程に在籍している学生が、就活を経て世の中に出るのは、ちょうど2025年辺りなのではないかと思います。

そして、大学院で行われる研究活動は、上記のようなスキルを鍛えるための絶好の機会といえるのではないでしょうか?

ただ、漫然と研究に取り組んだ学生と、積極的に研究に取り組んだ学生では、スキルのレベルに差が生じてくるでしょう。

また、漫然とスキルを磨いても、就活ではスキルだけでなく関連するエピソードなども聞かれます。具体的なエピソードを考える際にも大きく苦労するかもしれません。

そもそも研究に取り組む際には、研究テーマがあると思いますが、研究のテーマは科学的に課題のある問題へ取り組みとなっているはずです。また実験結果などは、多くの場合、予想通りの結果が出ない場合や、簡単に解釈がつけられない結果であることもあります。こういう機会こそ、分析力思考力問題解決力などを決める絶好の機会になります。

また、データの分析や解析などでは、意識をすると、マクロやプログラミングなどで、効率化を行う機会もあるでしょう。

さらに、研究室の過ごし方やスケジュールなどは、ある程度自由に裁量が与えられていることも多いはずです。そこで、どのように教科書や専門書からの学習や論文、文献の調査などを行っていくかを自分でマネジメントする練習の機会になります。

一方で、指導教員に言われたまま、研究に取り組んでいると、リーダーシップなどのスキルは、あまり磨かれないでしょう。

研究に取り組むというと、実験の数や量をこなすことなどに意識が割かれてしまうこともあります。もしかすると、指導教員などにも「もっと実験を行わないと」などと指摘されることもあるかもしれません。

しかしながら、研究に取り組む際には、スキルを意識するかどうかで、スキルがどこまで向上するかも変わってきます。

他にも、研究で磨くことができるものを分解すると次のようになるでしょう。

  • 未解決の問題を、決められた時間内に解明可能な部分を見極め、解決する力
  • 常識や他者の成果を疑ってみる批判的思考力
  • 課題に対して、解決までのプロセスを考え、さらに解決まで導くマネジメント能力
  • 研究成果を論文にまとめる論理的な思考力
  • 研究成果を学会などで社会へ発表するプレゼンテーション能力

また、人には足りないスキルもあるかもしれません。足りないスキルをしっかり補っていくように意識しながら、スキルを磨いていくことも戦略の1つです。

同じ時間を使うのであれば、今後必要なスキルを意識して、研究に取り組むことがポイントです。

企業への就活を特に意識する人は

ただし、企業や分野、職種などによって、求められるスキルのランキングなどは、変動しているのが実際でしょう。

そういう場合は、必要な時間が多くなりますが、インターンシップなどに参加して、求められているスキルを実際に調べてみることも、戦略になるでしょう。