化学徒の備忘録

化学系の用語や論文、動画などをわかりやすく紹介していきます

慣用単位胞:理解しやすい立方体の単位胞

慣用単位胞 体心立方格子や面心立方格子の基本単位胞は、基本並進ベクトルからつくられる平行六面体やウィグナーザイツ胞がある。 しかし、この平行六面体やウィグナーザイツ胞の基本単位胞は、図形として理解のしやすい立体図形ではない。 そこで、基本単位…

置換基・官能基・置換基効果

置換基 有機化合物は炭素原子が連なって構成されている。このような分子を本体部分とそれ以外の付属した部分に分けて考えると便利である。 この付属した部分を置換基という。 置換基効果 立体的に大きな置換基がある場合、その近くに他の分子が近寄れず反応…

分子間力:分子と分子の間に働く力

分子間力 分子と分子の間に働く力を分子間力という。また、原子間やイオン間に働く力であっても、分子間力という場合がある。 分子間力には引力と反発力 (斥力) がある。 引力としては、クーロン力、交換力、水素結合力、電荷移動力、ファンデルワールス力な…

結合分極・部分電荷・極性分子・無極性分子

結合分極・部分電荷 電気陰性度の違う原子が結合した場合、結合電子は電気陰性度の大きい原子のほうに引きつけられる。その結果、電気陰性度の大きい原子は少しマイナスに、電気陰性度の小さい原子は少しプラスに荷電する。この結合した2原子がプラスとマイ…

電気化学とは

電気化学とは 電気化学とは、物質の化学変化と電気エネルギーとの関係や、化学エネルギーと電気エネルギーとの変換の関係に関する分野である。 界面電気現象、電離状態、物質の導電現象、半導体、電池、電極反応、水溶液の溶融塩の電解、非水溶媒中での酸化…

電極の呼び方(カソード・アノード・陽極・陰極・正極・負極)

電極の呼び方 ここでは、溶液と電極での電気化学反応の場合の電極の呼び方を分類します。 溶液側から電子が流れ込む電極はアノードといいます。 溶液側へ電子が流れる電極はカソードといいます。 電極の呼び方についてまとめると、下の表のようになります。 …

アルコール消毒の仕組み・70%アルコールが効果的な理由

アルコールとは アルコールとは、炭化水素の水素(H)原子が、ヒドロキシ基(-OH)で置換された化合物(アルコール類)の総称です。 そのため、アルコールは親油性の部分と親水性の部分であるヒドロキシ基をもっています。 消毒や酒類の成分としてしられているもの…

【化学解説系Vtuber才媛テス子さん】合成甘味料とカロリーゼロの解説動画

今回は、化学解説系Vtuberの才媛テス子さんによる合成甘味料とカロリーゼロに関する解説動画を紹介します。 カロリーゼロの清涼飲料水、コンビニなど身近なところで売られていますね。このカロリーゼロの理由となる合成甘味料が紹介する動画のトピックです。…

論文の流し読み・ななめ読みのポイント

研究室に配属された大学生や大学院生、研究者を論文を読み、最新の研究成果の知見を得たり分野の動向を把握します。 この多くの論文を読む過程の中で必要な技術の一つに”論文の流し読み”があります。ななめ読みということもあると思います。ここでいう”論文…

【化学解説系Vtuber才媛テス子さん】プラスチックの解説動画

今回は、化学解説系Vtuberの才媛テス子さんによるプラスチックに関する解説動画を紹介します。 プラスチックとは、熱可塑性樹脂と中学校か高校の化学で習ったような記憶がありますが、”プラスチックとはなにか?”と、いざ問われると難しいなあと思います。 …

【化学解説系Vtuber才媛テス子さん】日本酒の甘口辛口と化学の解説動画

今回は、化学解説系Vtuberの才媛テス子さんによる日本酒の味や分類に関する解説動画を紹介します。 この動画では、日本酒の甘口や辛口の味の違いが化学寄りに解説されています。 日本酒を作るときは米をどのくらい削るかで、味が変わるくらいのことは知って…

酸化数・酸化数の規則・表記方法

酸化数 酸化数とは、物質中のそれぞれの原子に対する酸化の状態を表す数値である。 酸化数が負の値の場合、中性の原子よりも電子を得ている状態となる。また、酸化数が正の値の場合、中性の原子よりも電子を失っている状態となる。 また、酸化数が増加した原…

【図で解説】イオン化エネルギーと電子親和力の違い

イオン化エネルギー イオン化エネルギーは原子のうちの最外殻 (一番外側) の電子が原子の電子軌道から離れ自由電子になるために必要なエネルギーである。 上の図はイオン化エネルギーを受け取ったときの軌道の様子を表したエネルギー図である。エネルギー図…

3つの中和:酸と塩基・正と負の電荷・毒素と抗体

3つの中和 一般的に異なる性質をもつものが混ざり、互いの性質を消しあうことを中和という。特に化学では、酸と塩基の中和、正の電荷と負の電荷の中和、毒素と抗体の中和という意味で使われることがある。 酸と塩基の中和 酸と塩基が反応し、酸の酸性、塩基…

電子殻:同じ量子数をもつ電子

電子殻とは 電子殻とは、原子を構成する核外電子の中で、同じ量子数をもつ電子の群のことである。 電子殻という考え方は、原子を、卵のように中央の正電荷をもつ原子核(卵の黄身)と、そのまわりに電子の存在する場所が殻のようにある原子模型を考えている。 …

超ウラン元素:自然界に存在しない元素

超ウラン元素 地球上に存在する元素のうち、自然界に存在する元素は、原子番号92のウラン(U)までであるといわれている。 この原子番号92のウランよりも原子番号の大きい元素を超ウラン元素という。原子番号92のウラン以降の元素は、日本で話題になった原子番…

原子番号:原子核中の陽子の数

原子番号とは 原子番号とは原子核中の陽子の数である。 原子は陽子と中性子から構成されている原子核と、その周りに存在する電子によって構成されている。 このうち、陽子の個数が原子番号である。つまり、原子核中の正電荷の数が原子番号であるということも…

内部エネルギー:静止している物質系の全エネルギー

内部エネルギーとは 内部エネルギーとは、系内の分子全体のエネルギーから系全体がもっているポテンシャルエネルギーと系全体がもっている運動エネルギーを除いたエネルギーである。 内部エネルギーは記号ではやで表される場合が多い。 系内にある物質のもつ…

【状態方程式】圧力×体積=エネルギーであるということ

理想気体の状態方程式 系の圧力を、体積をとする。理想気体の状態方程式は次のように表される。 左辺の単位 この圧力の単位はPa = N m-2 は(N・m)×m-3 = J m-3 と書くことができる。 体積の単位は、m3 である。 よっての単位はJ m-3 ×m3 = Jであり、エネルギ…

分子式・構造式・構造式の簡略表現

分子式 分子式は分子を構成する原子の種類と個数を表したものである。 水の分子式はH2O、メタンの分子式はCH4である。例えば、H2Oは水素原子2個と酸素原子1個で構成されていることを表す。 構造式 分子を構成する原子の種類と個数が、それぞれどのような順序…

面間隔と単位格子の体積の計算式

面間隔 指数の隣り合った面間の距離は次の関係で求めることができる。ただし、格子定数を、単位格子の体積をとする。 立方晶: 正方晶: 斜方晶: 六方晶: 単斜晶: 三斜晶: 単位格子の体積 また、単位格子の体積は次の式で求められる。 立方晶: 正方晶:…

レナードジョーンズポテンシャル:2分子間のポテンシャルエネルギー

レナードジョーンズポテンシャル 孤立した2分子間、もしくは2個の希ガス原子間のポテンシャルエネルギーを表すポテンシャル関数として、レナードジョーンズポテンシャルがある。 は距離にある2分子間のポテンシャルエネルギーを表す。 、は分子や希ガス原子…

σ結合とπ結合とδ結合

共有結合とσ結合・π結合・δ結合 有機物を構成する結合は、ほとんどが共有結合である。共有結合とは、結合する2つの原子が、互いに1つずつ電子を出し、その2つの電子を結合電子雲とする結合である。 簡単にいうと、2つの原子に対して、電子雲がのりとして接着…

共役二重結合:二重結合が単結合を挟むことで構成されている結合系

共役二重結合 2つ以上の二重結合が単結合を挟むことで構成されている結合系を共役二重結合という。 二重結合はσ結合とπ結合から構成されている。しかし、π結合を形成しているπ電子は非局在性 (易動性)をもっており、σ結合のみであった単結合の間でもπ結合を…

酸解離定数KaとpKa・塩基解離定数KbとpKb

酸解離定数KaとpKa 酸の解離反応の平衡定数を酸解離定数という。 弱酸 (HA) の解離を次のように表す。 各濃度をで表すとき、酸解離定数は次の式で求めることができる。 この酸解離定数の値が小さい酸ほど弱酸である。 また酸解離定数の対数にマイナスをつけ…

有機物の単結合・二重結合・三重結合と結合の強さ・結合距離

有機物の共有結合 単結合 二重結合 三重結合 単結合、二重結合、三重結合と結合の強さ 単結合、二重結合、三重結合と結合距離 有機物の共有結合 有機物を構成する結合は、ほとんどが共有結合である。 共有結合とは、結合する2つの原子が、互いに1つずつ電子…

実格子空間と逆格子空間

実格子空間と逆格子空間 実際の位置ベクトルを座標とする空間を実空間という。特に、結晶のような周期的な繰り返しがある実空間を実格子空間という。 これに対して波数ベクトルを座標とし、実格子空間の周期性が反映された空間を逆格子空間という。また、単…

逆格子・逆格子の基本ベクトルの定義と関係

逆格子 結晶の実空間の空間格子と正規直交の関係にある別の格子を逆格子という。 逆格子ベクトルは結晶の格子面に垂直な方向をもち、その面間隔の逆数の大きさをもつベクトルである。 実空間の基本ベクトルを、、とするとき、逆格子の基本ベクトル、、との間…

ヤーン・テラー効果とレナー・テラー効果

ヤーン・テラー効果 (Jahn-Teller effect) ヤーン・テラー効果 (ヤーンテラー効果、Jahn-Teller effect) とは、非直線性多原子分子や固体内の原子団において、原子配列が正多角形や正多面体などの高い対象性をもつ場合に、電子状態が縮退することがあるが、…

アンダーソン局在とアンダーソン転移

アンダーソン局在 結晶内のような周期的なポテンシャル中を運動する電子は結晶全体に広がって運動し、電子の波動関数は全空間に広がったブロッホ波になる。 しかし、不純物などによって結晶の周期性が乱れ、ポテンシャルの不規則性が高くなると、散乱された…