カルシウム(Ca)二次電池は、理論エネルギー密度が高い、安全性が高い、原料である天然資源が豊富であるといった点から、ポスト・リチウムイオン電池として注目されている。しかしながら、実用化には課題が残っており、今も研究が世界中で行われている。 今回…
ハーフセルとフルセル リチウムイオン電池やポスト・リチウムイオン電池の研究開発において、ハーフセルとフルセルが使われる。 ハーフセルは正極や負極にLiなどを用いたセル(電池)である。 フルセルは正極と負極の両方に通常の電極材料が用いられているセル…
自由度 物理化学や熱力学において、系の状態は温度、圧力、モル分率などの組成などの示強性変数によって決定される。こういった変数の中で、系の状態を決定するために自由に(独立に)定めることのできる示強性変数の数を自由度という。 ギブズの相律の導出 こ…
緩衝液と緩衝作用 溶液に酸や塩基を加えたり、溶液を薄めても、pHが大きく変化しない溶液を緩衝液という。 そして緩衝液によるpHを一定に保つはたらきのことを緩衝作用という。 緩衝液は弱酸とその共役塩基、もしくは弱塩基とその共役酸の混合溶液である。 …
ここ数十年で、フッ素を含む分子は薬として利用されるようになっており、その割合は全体の30%以上になっている。特に、gem-ジフルオロメチル類のような有機フッ素化合物は、薬効作用から薬に用いられる化合物として注目されている。 図1の(a)に紹介されてい…
水が電解質を溶かす理由 水が電解質を溶かす理由については、未解明な点もあるが、水の大きな誘電率とイオンの水和が主な要因であると考えられている。 比誘電率の効果 距離((m))離れた電荷、と(C)の間に働く力(N)はクーロンの法則で考えることができる。 は…
有害性が危険視されているハロベンゾキノン類 ハロベンゾキノン類(HBQs)は水の消毒の副生成物として、飲料水やプールから検出されることが最近報告されている。さらに、ハロベンゾキノンは毒性が高く、ハロベンゾキノン類は、現在規制がかかっているトリハロ…
セリワノフ反応 セリワノフ反応 (Seliwanoff's test or Seliwanoff's reaction) はケトースとアルドースを識別する呈色反応である。 セリワノフはロシアの化学者 Feodor Feodorovich Selivanovに由来している。 糖のうち、ケトン基を含む糖はケトースであり…
試薬を実験に用いる際や、未知試料の分析を行う際には、正確な濃度の測定が重要となる。この決まった濃度の溶液を調製するために、欠かせないものが測容ガラス器具である。ここでは、精密な測容器であるメスフラスコ、ホールピペット、ビュレットについて解…
物質波 ミクロな視点では、電子のような粒子が波の性質をもつ。 アインシュタインの相対性理論によると、エネルギーと運動量の間には次の関係が成り立つ。 ここでは質量、は光の速さ、は運動量である。 光子の場合は、となるため、となる。 そこでとを用いる…