化学徒の備忘録

化学系の用語や論文をわかりやすく紹介していきます

ガスバーナーの正しい使い方【中学校理科】

中学校の理科の実験で加熱に使うガスバーナーの正しい使い方についてです。

ガスバーナーは、空気調節ねじとガス調節ねじの2つのねじがありますが、上のねじが空気調節ねじ、下のねじがガス調節ねじという構造になっています。

また、ガスバーナーの炎が赤いときは、空気の量が不足している状態です。青い炎が見える状態が、適切な状態となります。

ガスバーナーで火をつけるときの使い方

  1. ガス調節ねじ空気調節ねじが閉まっていることを確認する。
  2. ガスの元栓とガスバーナーをつなぐ。
  3. 元栓を開く。
  4. コックつきのガスバーナーはコックを開く。
  5. マッチやチャッカマンに火をつけて、ガスバーナーの近くにもっていき、ガス調節ねじを少しずつ開いて、ガスバーナーを点火する。
  6. ガス調節ねじをまわして、炎の大きさを大きすぎず、小さすぎない適切な大きさに調節する。
  7. ガス調節ねじを押さえて、空気調節ねじをまわして開いて、青い炎にする。

ガスバーナーの火を消すときの使い方

  1. 空気調節ねじを閉め、ガス調節ねじを閉める。
  2. コックを閉める。
  3. 元栓を閉める。

ガスバーナーの火を消す時は、火をつけるときと逆の順番で、ねじやコックの操作をしていくことになります。

ダニエル電池・多孔質隔膜(素焼き板)・反応の解説

ダニエル電池

硫酸銅などの銅の塩を含む水溶液に銅電極、硫酸亜鉛などの亜鉛の塩を含む水溶液に亜鉛電極を浸した二液式の電池である。

また、多孔質隔膜によって、両方のイオン伝導体を隔てている。この多孔質隔膜としては、素焼き板などの多孔性磁器、半透膜、半溶融ガラス、毛細管、ろ紙、ゲルなどが使われる。多孔質隔膜の目的は、イオンの透過を可能にしながら、正極と負極の溶液の混合を妨げることである。具体的には、亜鉛イオンなどの陽イオンが、正極側へ移動し、硫酸イオンなどの陰イオンが、負極側へ移動することを可能にしながら、Cu2+とZn、Zn2+とCuの酸化還元反応が起こることを妨げている。

1836年にダニエルが考案したことから、ダニエル電池といわれている。

電池式では、次のように表される。

(-) Zn | ZnSO4 aq | CuSO4 aq | Cu (+)

ダニエル電池の反応

正極 (カソード) の反応は次のようになり、溶液の銅イオンが電極から電子を受け取ることで金属の銅となって析出する。

Cu2+ + 2e- → Cu

この正極では還元反応が起こっている。

負極 (アノード) の反応は次のようになり、亜鉛が電極に電子を残して亜鉛イオンとなり、溶液へ溶け出す。

Zn → Zn2+ + 2e- 

この負極では酸化反応が起こっている。

電池全体としては、次の酸化還元反応が起こっている。 

 Zn + Cu2+ → Zn2+ + Cu

ダニエル電池の起電力

この起電力は計算すると約1.1 Vとなる。具体的に、両方の陽イオンの活量が等しいとして計算すると、起電力は1.102 Vとなる。

しかしながら、実際には、多孔質隔膜が存在するため、液間電位差が存在する。

起電力変化は小さく、気体の発生も起こらない。そのため、昔は電話交換機用の電源といて用いられたこともあった。しかしながら、銅イオンが負極側へ拡散して自己放電を起こすため、液の交換を頻繁に行う必要があり、現在では実用的に用いられてはいない。

ダニエル形電池

金属をMその塩をMXとするとき、2種類の金属と、その塩を組み合わせた電池を一般的にダニエル形電池という。

ダニエル形電池は、電池式で表すと次のようになる。

(-) M | MX aq | M'X aq | M' (+)

波動関数・波動関数の性質・満たす条件の解説

波動関数とは

電子や原子、分子、分子集団、結晶などの状態を量子力学的に解く場合、シュレーディンガーの波動方程式を考える。

波動関数は、このシュレーディンガーの波動方程式の解である。

一般的に、波動関数は\Psiで表される。

波動関数は、実験からその値を求めることはできない。しかしながら、波動関数を二乗したものは、粒子の存在確率を表す。そのため、波動関数の二乗は、粒子の存在確率として実験で確認することができる。

波動関数は一般的に、複素数である。しかし、波動関数の二乗は実数となる。

波動関数の満たす条件

波動関数として意味をもつ関数は、一価性、連続性、有限性の三つの条件を満たす必要がある。

一価性とは、変数の一つの値に対して、関数の値が一つに定まる性質であり、波動関数に対して、粒子の座標と時間が与えられると、波動関数の値は一つに決定できる。

連続性をもつため、波動関数そのものと、波動関数が微分されたものは連続となる。

また、有限性をもつため、波動関数はどの領域でも有限の値をとる。

また、波動関数の二乗を全空間において積分したものは、1となる。このことを、波動関数は規格化されているという。

 \displaystyle \int^\infty_\infty | \Psi ^2 | d \tau = 1  

これは、粒子は空間内のどこかには存在するため、確率を足し合わせたものは1になるということである。

また、異なる状態にある二つの波動関数は直交する。これは式で表すと、次のように表される。

 \displaystyle \int^\infty_\infty  \Psi^*_n  \Psi _m  d \tau = 0  

ただし、n \neq m

クロマトグラフィーとその分類の解説

クロマトグラフィー

クロマトグラフィーとは、大きな表面積をもつ固定相(stationary phase)と、この固定相に接して流れる移動相(mobile phase)との間に、混合物を分布させ、この固定相と移動相の二層間の分析対象物質の相互作用の差を利用して、各成分を分離する方法である。

クロマトグラフィーによって、多成分の混合物から単一な成分を相互に分離することで、定性的な検出や同定、定量的な測定を行うことができる。

クロマトグラフィーの分類

クロマトグラフィーは注目している部分によって様々な分類がされている。

移動相と固定相の組み合わせによる分類

移動相に気体を用いるものをガスクロマトグラフィー (gas chromatography, GC)、移動相に液体を用いるものを液体クロマトグラフィー (liquid chromatography, LC) という。

分離対象物質と固定相との相互作用による分類

分離対象物質は固定相との相互作用によって移動速度に差が生じ分離が達成される。実際には単独の相互作用によって分離が起こっているわけではなく、いくつかの相互作用が複合して分離が起こっている場合も多い。

吸着作用によって分離を行うクロマトグラフィーを吸着クロマトグラフィーという。

分配作用によって分離を行うクロマトグラフィーを分配クロマトグラフィーという。

イオン交換作用によって分離を行うクロマトグラフィーをイオン交換クロマトグラフィーという。

サイズ排除によって分離を行うクロマトグラフィーをサイズ排除クロマトグラフィーという。

固定相の形状による分類

固定相が平面であるものを、その形状から平面クロマトグラフィーという。

平面クロマトグラフィーとしては、ろ紙を固定相に用いるペーパークロマトグラフィーや、ガラス平板に薄いシリカゲルなどの層を塗布した固定相を用いる薄層クロマトグラフィー (thin-layer chromatography, TLC) などがある。

円柱状の管に固定相を充填したものは、カラムを用いていることからカラムクロマトグラフィーという。

移動相と固定相の極性の大小による分類

固定相の極性に対して、移動相の極性が低いクロマトグラフィーを順相クロマトグラフィーという。

逆に、固定相の極性に対して、移動相の極性が高いクロマトグラフィーを逆相クロマトグラフィーという。

有効数字の解説

有効数字について

実験における有効数字とは、計測値で意味のある桁数までの数値のことである。つまり有効数字は誤差を含む位より上の位にある有意義な数字である。

例えば、計測値が12.3 gであるとき、有効数字は3桁である。

しかしながら、計測器に目盛りがあり、1 g毎にしか目盛りがない状態で、12.3 gと計測した場合は、有効数字は2桁である。

また、0.0123 kgや1.23 × 103 mgなどの測定値の場合は、0の部分は有効数字ではなく、有効数字は両方共3桁ということになる。

当然0は必ずしも有効数字に含まれないわけではなく、0.123 gは有効数字3桁だが、1230 gの場合は、有効数字が4桁となる。

一般的に、1.23 gという測定値は、1.226 g ≦ (測定値) < 1.235 gの範囲の測定値のを有効数字3桁に丸めたもの、もしくは小数点以下3桁目を丸めたものであることを意味する。

電池式の書き方の解説

電池式の書き方

電池式とは、電池の構造を表した式である。電池図ということもある。

左側に負極、中央に電解液、右側に正極を書き、その間を|で隔て、一番左に(-)、一番右に(+)を書く。

正極と負極の活物質は、電極を書く場合も、電解液中の物質を書く場合もある。

ボルタ電池の電池式は次のように表される。

(-) Zn | H2SO4 aq | Cu (+)

ダニエル電池の電池式は次のように表される。

(-) Zn | ZnSO4 aq | CuSO4 aq | Cu (+)

例えば、ダニエル電池の場合、正極活物質は CuSO4 aq中のCu2+である。

ペロブスカイト型構造・有機無機ハイブリッドペロブスカイトの解説

ペロブスカイト型構造

ペロブスカイト型構造は、ABX3(A = Ca, Ba, Sr, Pbなど、B = Ti, Zr, Sn, Hfなど、X = Oなど)で表される立方晶系の結晶構造である。

灰チタン石 CaTiO3 (ペロブスカイト, perovskite)にちなんで命名された結晶構造である。

特に酸化物においてペロブスカイト型構造をとることが多い。SrTiO3、SrZrO3、SrHfO3、SrSnO3、BaSnO3、SrHfO3などの化合物がペロブスカイト型構造をとることが知られている。

ペロブスカイト型構造の一般式を、ABX3とすると、格子中でA原子が中心に存在する単位格子をA型という。中心のA原子は8個のB原子と12個のX原子に対して配位している。

酸化物の場合、X = Oであるため、AとBの電荷数の和は+6である必要がある。しかし、AとBの電荷数はA = +2、B = +4のものやA = +3、B = +3などそれぞれ様々なものがある。

一般的に、Aは陽イオンでも電荷が低くイオン半径が大きいものが多く、Bは陽イオンでも電荷が高くイオン半径が小さいものである場合が多い。

ペロブスカイト型構造の見方としては、立方最密充填構造 (ccp) 配列の位置にAイオンとXイオンを1:3の比で配置し、そこにできる八面体孔にBイオンを置いたものと考えることができる。

また、BイオンをXイオンがつくるBX6八面体を構成単位とした構造骨格を考え、これら8個の八面体に囲まれた空間の中心にAイオンを置くものと考えることもできる。

 

f:id:syerox:20190417222315p:plain

ペロブスカイト型構造は、組成によって、強誘電性、半導体性、超伝導性、混合導電性、電気光学効果、触媒効果などを示す。

有機無機ハイブリッドペロブスカイト

ペロブスカイト型構造のA原子が存在する場所をAサイト、B原子が存在する場所をBサイトというとき、Aのサイトに有機物の陽イオン、Bのサイトに金属の陽イオン、Xにハロゲンが存在するペロブスカイト型構造の化合物を有機無機ハイブリッドペロブスカイトという。

有機物と無機物によって、構成される有機無機ハイブリッドペロブスカイトは、太陽電池材料として、盛んに研究が行われている。