化学徒の備忘録

化学系の用語や論文をわかりやすく紹介していきます

原子によるX線の散乱と原子散乱因子

原子によるX線の散乱 原子は正の電荷をもつ原子核と、負の電荷をもつ電子から構成されている。 一方でX線は電磁波であるため、振動する電場をもつ。そのため、原子にX線を照射するとX線の振動する電場が荷電粒子を振動させる。この振動された荷電粒子が波源…

胃のレントゲン写真の撮影でバリウムを飲む理由

病院の検査ではレントゲン写真が使われる。 このレントゲン写真はX線を物質に照射し、透過したX線の透過像を撮影したものである。そのため、レントゲン写真は物質のX線の透過しやすさや吸収しやすさが反映される。そして、X線が物質に吸収された部分は白い影…

固有X線のKα1線とKα2線 

L殻の電子がK殻に移動する際に発生する固有X線がKα線である。 このKα線にはKα1線とKα2線がある。 まず、L殻には2s軌道のL1準位、2p1/2軌道のL2準位、二重に縮退した2p3/2軌道のL3準位が存在する。 このうち、L1準位からK準位への電子の遷移は禁制遷移である…

特性X線とモーズリーの法則

特性X線 (固有X線) 気体や金属に高エネルギーの電子などの粒子を当てると、物質の構成原子のエネルギー準位の低い内殻電子が原子外にはねとばされる。その結果、内殻電子が存在した軌道に空きが生じる。その内殻の空きへエネルギー準位の高い外殻の電子が入…

X線回折法(XRD法)

X線回折法 (XRD法) X線回折法 (X-ray diffraction法、XRD法) とは結晶や粉末にX線を照射し、そこで起きるX線の回折像やパターンを解析することで、結晶の原子の配列や分子の構造を調べる方法である。 結晶や分子にX線を照射すると、X線は結晶を構成する原子…

連続X線・白色X線と単色化の原理とシリコン結晶の関係

連続X線・白色X線 電磁波のうち、波長が0.01 nm~数十nmの電磁波をX線という。 X線の中でも、制動放射やシンクロトロン放射によって発生する連続スペクトルを示し、光のような広帯域のX線を連続X線もしくは白色X線という。そして、この白色X線から特定の波長…

X線回折・ブラッグ反射とブラッグの条件

X線回折・ブラッグ反射 X線が原子に当たるとX線は散乱される。そのため、多くの原子の集団にX線を入射すると、それぞれの原子によるX線の散乱が起きる。 このとき、散乱されたX線は、X線の波としての性質により干渉が起こり、X線の強度の強め合いや打ち消し…

動的共有結合化学を用いた正四面体の分子かごについての論文解説動画の紹介

www.youtube.com 今回は、Chemistry Wednesday (けむすい) さんによる論文解説動画を紹介します。 この動画は、動的共有結合化学 (Dynamic covalent chemistry, DCC) に関する論文*1を紹介している動画です。 動的共有結合化学 (DCC) とは、結合が非常に強い…

香水の香りの物質についての解説動画の紹介

www.youtube.com 今回はもろぴーさんの動画の紹介です。 この動画の内容は、一言でいうと”香水に含まれている成分について”の解説です。 香りは、香りの素となる香りの分子と鼻の粘膜にある嗅細胞の相互作用によって感じるといわれています。動画では、この…

錯体の配位数

錯体の配位数 錯体にて、中心金属原子に配位する原子または原子団の数を配位数という。 中心金属を取り囲み、中心金属と配位結合している原子や原子団を配位子という。その配位子の数は配位数となる。 金属イオンの種類によるが、配位数は2、4、6などである…