化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

化学系の用語や論文、動画などを紹介する化学ブログです

無機化学

低速電子線回折法(LEED)について

低速電子線回折法(Low Energy Electron Diffraction、LEED)という固体表面を測定する手法の解説です。

固体触媒と表面構造(ステップ・キンク・アドアトム・再構成・表面緩和)

固体触媒では表面が非常に重要です。その表面のモデルやステップ・キンク・アドアトムといった表面構造、再構成・表面緩和といった表面特有の現象について解説しています。

金属触媒(固体触媒)とは?表面積・形態・分散度の解説

固体触媒、特に金属触媒について担持や表面積、形態、分散度について丁寧に解説している記事です。

触媒とは?触媒の定義と求められる重要な要素

触媒の定義と触媒を考えるうえで重要な活性、選択性、寿命、環境負荷について丁寧に解説しています。

触媒の分類(不均一触媒と均一触媒、エネルギー、反応、物質)

触媒の分類 触媒は、様々な基準で分類することができる。ここでは、その分類について取り上げる。 相による分類 触媒の相から気体触媒、液体触媒、固体触媒と分類することがある。 また、触媒の反応場の相と触媒物質の相が異なる場合を不均一触媒、触媒の反…

錯体と酸化数:酸化数をつけるときのルール

錯体と酸化数 錯体では酸化数を考えることは重要である。 錯体の性質は中心金属イオンの酸化数に強く支配される。そのため酸化数で現象や性質を整理して考えることが重要となるのである。 しかしながら、酸化数を割り振るということな、任意性がある場合があ…

錯体と配位子の解説

錯体と配位子 通常のイオンとは少し異なる錯体や配位子について、わかりやすく説明していく。 まず、金属イオンは、金属イオン自身のまわりに陰イオンや中性分子を方向性をもって規則的に配列させるという性質がある。 ジアンミン銀(I)イオン[H3N-Ag-NH3]+は…

原子間の結合領域と反結合領域と共有結合をわかりやすく解説

有機化合物の骨格となる部分を形成する結合のほとんどが共有結合である。この共有結合は、2つの原子の間で、それぞれの価電子を互いに共有してできた結合である。 この価電子の共有によって結合ができるということについて、もう少し深くわかりやすく考えて…

金属錯体:ジアンミン銀イオン

ジアンミン銀イオン 塩化銀 (AgCl) は硝酸銀水溶液と塩化ナトリウム溶液を混合したときに生じる白色の沈殿である。塩化銀は水にはほとんど溶けない。しかし、アンモニア水には溶けてジアンミン銀イオン [Ag(NH3)2]+を形成する。このイオンは中心原子が銀イオ…

【高校化学】還元剤・酸化剤総まとめ

高校化学で登場する還元剤と酸化剤について表にまとめました。 還元剤:電子(e-)を放出 還元剤総まとめ表 還元剤は電子を放出して、他の物質を還元する物質です。ある物質を還元するとき、還元剤自身は酸化されます。 酸化剤:電子(e-)を吸収 酸化剤総まとめ…

【化学クイズ】基準となる原子量が変わったら実際の値はどう変わる?

化学クイズ たまには息抜きに化学のクイズなどいかがですか? 原子量がもし変化したら、実際の数値はどのように変化するかを考えてみる。 ここでは12C = 12を12C = 24として考えてみよう。このとき、 12C の原子1個の質量 (g) 気体定数 純水のpH このとき上…

結晶場理論の考え方と電子の高スピン・低スピン配置

結晶場とは 原子中の電子軌道 s軌道 p軌道 d軌道 八面体配位と四面体配位 球の中心に陽イオンがある場合 八面体配位の場合 四面体配位の場合 d軌道への電子配置 結晶場とは 結晶中の原子やイオンの電子にはたらく力の場(特に電場)のことを結晶場という。結晶…

触媒毒:触媒反応を阻害する物質

触媒毒とは 触媒毒は触媒の活性部位に触媒反応の反応分子より強く結合し、微量存在するだけで触媒作用を妨げる物質のことである。 触媒調製用原料や触媒反応原料中に含まれる場合には、あらかじめ触媒毒を除去しておくことが好ましい。また、反応の副生成物…

SMSI効果:水素や一酸化炭素の吸着量の減少

SMSI効果とは SMSI (strong metal support interaction) 効果とは、ある条件を満たした触媒の室温での水素や一酸化炭素 (CO) の吸着量が著しく減少する効果のことである。 このSMSI効果はTiO2、Nb2O5、V2O5、CeO2、ZrO2などの易還元性酸化物担体にPtやPd、Rh…

酸化数・酸化数の規則・表記方法

酸化数 酸化数とは、物質中のそれぞれの原子に対する酸化の状態を表す数値である。 酸化数が負の値の場合、中性の原子よりも電子を得ている状態となる。また、酸化数が正の値の場合、中性の原子よりも電子を失っている状態となる。 また、酸化数が増加した原…

3つの中和:酸と塩基・正と負の電荷・毒素と抗体

3つの中和 一般的に異なる性質をもつものが混ざり、互いの性質を消しあうことを中和という。特に化学では、酸と塩基の中和、正の電荷と負の電荷の中和、毒素と抗体の中和という意味で使われることがある。 酸と塩基の中和 酸と塩基が反応し、酸の酸性、塩基…

電子殻:同じ量子数をもつ電子

電子殻とは 電子殻とは、原子を構成する核外電子の中で、同じ量子数をもつ電子の群のことである。 電子殻という考え方は、原子を、卵のように中央の正電荷をもつ原子核(卵の黄身)と、そのまわりに電子の存在する場所が殻のようにある原子模型を考えている。 …

超ウラン元素:自然界に存在しない元素

超ウラン元素 地球上に存在する元素のうち、自然界に存在する元素は、原子番号92のウラン(U)までであるといわれている。 この原子番号92のウランよりも原子番号の大きい元素を超ウラン元素という。原子番号92のウラン以降の元素は、日本で話題になった原子番…

原子番号:原子核中の陽子の数

原子番号とは 原子番号とは原子核中の陽子の数である。 原子は陽子と中性子から構成されている原子核と、その周りに存在する電子によって構成されている。 このうち、陽子の個数が原子番号である。つまり、原子核中の正電荷の数が原子番号であるということも…

σ結合とπ結合とδ結合

共有結合とσ結合・π結合・δ結合 有機物を構成する結合は、ほとんどが共有結合である。共有結合とは、結合する2つの原子が、互いに1つずつ電子を出し、その2つの電子を結合電子雲とする結合である。 簡単にいうと、2つの原子に対して、電子雲がのりとして接着…

ヤーン・テラー効果とレナー・テラー効果

ヤーン・テラー効果 (Jahn-Teller effect) ヤーン・テラー効果 (ヤーンテラー効果、Jahn-Teller effect) とは、非直線性多原子分子や固体内の原子団において、原子配列が正多角形や正多面体などの高い対象性をもつ場合に、電子状態が縮退することがあるが、…

デュエット則とオクテット則

デュエット則とオクテット則 原子は正電荷をもつ原子核が中心にあり、その周りを負電荷をもつ電子が軌道を形成し取り囲んでいる。 また、原子に含まれる電子の中で最も外側の軌道に入っている電子を価電子、もしくは最外殻電子という。 内側の1s軌道 (K殻) …

仕事関数:電子を固体から外部へ取り出すために必要な最小のエネルギー

仕事関数とは 仕事関数 (work function) とは、1個の電子を金属や半導体のような固体の表面から外部へ取り出すために必要な最小のエネルギーのことである。 この電子を取り除くエネルギーは一般的に金属のような固体の場合に仕事関数といわれ、孤立原子や分…

ランタノイドとランタノイド収縮

ランタノイド (ランタニド) 57番元素のランタン(La)から71番元素のルテチウム(Lu)までの15の元素をランタノイドもしくはランタノイド元素という。また、ランタニドという場合もある。 具体的にはランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジ…

錯体の配位数

錯体の配位数 錯体にて、中心金属原子に配位する原子または原子団の数を配位数という。 中心金属を取り囲み、中心金属と配位結合している原子や原子団を配位子という。その配位子の数は配位数となる。 金属イオンの種類によるが、配位数は2、4、6などである…

結晶の配位数と充填率

最近接原子と配位数 結晶を考える。このとき結晶中の、ある原子の中心から別の原子の中心までの距離を最近接原子間距離という。 例えば、単純立方構造では最近接原子間距離は格子定数となる。 また、結晶では、ある原子を中心として最近接原子間距離に位置す…

塩化ナトリウムのマーデルング定数の近似値の計算

塩化ナトリウムのマーデルング定数の近似値の計算方法 塩化ナトリウムのマーデルング定数を近似的に求める。 ここでは第三近接イオンまでのマーデルング定数への寄与について考える。 まず、塩化ナトリウムの構造のCl-イオンを原点とする。また、最近接イオ…

導体・半導体・絶縁体:電気伝導性による分類

物質は電圧をかけた場合の電流の流れやすさである電気伝導性によって導体、絶縁体、半導体の3つに分類することができる。 導体 導体 (conductor) は電気をよく通す物質である。金属の電気伝導性は高く、金属は導体として知られている。また、金属のように電…

マーデルング定数:イオン結晶の静電ポテンシャルを表す定数

マーデルング定数 マーデルング定数とは、イオン結晶の結晶構造によって定まる結晶格子の静電ポテンシャルを定める定数である。 結晶内のあるイオンを原点とし、クーロン力による反対符号イオンとの引力、同符号イオンとの斥力を無限遠まで順次計算すると、…

金属酸化物のバンドギャップと伝導帯の関係:Scaifeの報告

金属酸化物の半導体 金属酸化物などの半導体は、伝導帯と価電子帯がある。そして、この価電子帯と伝導帯の間の電子状態密度が0であるエネルギー領域をバンドギャップという。 金属酸化物の価電子帯は、主に酸素の2p軌道によって構成されていると考えられる…