触媒の分類
触媒は、様々な基準で分類することができる。ここでは、その分類について取り上げる。
相による分類
触媒の相から気体触媒、液体触媒、固体触媒と分類することがある。
また、触媒の反応場の相と触媒物質の相が異なる場合を不均一触媒、触媒の反応場の相と触媒物質の相が同じ場合を均一触媒という。
一般的に触媒も反応物の相(状態)も気体、液体(溶液)、固体のいずれかの状態である。金属錯体などの分子触媒では、溶液内で反応する場合が多く、反応物、生成物と触媒が同じ液体相内にあるため、均一触媒であると考える。
一方で、固体触媒を用いる場合、多くは気体と固体触媒や液体と固体触媒の不均一触媒反応となる場合が多い。
与えられるエネルギーによる分類
化学反応を進めるためには、その反応の障壁を越える活性化自由エネルギーを与える必要がある。この供給するエネルギーは多くの場合、熱エネルギーである。しかしながら、光エネルギーや電気エネルギーを用いることも多い。こういったエネルギーで触媒を区別する場合、熱触媒、光触媒、電気化学触媒などという。
触媒物質の種類による分類
金属触媒や、金属酸化物触媒、金属錯体触媒、結晶性多孔体触媒、酸-塩基触媒、高分子触媒、酵素のように、物質の種類で触媒を分類することがある。さらに、具体的にマグネシア担持白金触媒やゼオライト触媒のように触媒の元素や化合物で示すこともある。
化学反応の種類や目的による分類
酸化還元触媒、水素化触媒、アルコール合成触媒、アンモニア合成触媒などの反応によって触媒を分類することがある。他にも、脱硫触媒や脱硝触媒、脱臭触媒、異性化触媒、重合触媒、クラッキング触媒、自動車排ガス浄化触媒、燃料電池触媒などの表現がある。
同じ触媒物質でも別の目的で触媒として用いるという場合も多いため、この分類は触媒を機能や性質で分類しているということができる。
構造による分類
触媒の構造によって触媒を分類する場合がある。例えばアモルファスや多結晶、層状化合物、分子、クラスター、ミセル、高分子などの構造で分類することができる。