化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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錯体と酸化数:酸化数をつけるときのルール

錯体と酸化数

錯体では酸化数を考えることは重要である。

錯体の性質は中心金属イオンの酸化数に強く支配される。そのため酸化数で現象や性質を整理して考えることが重要となるのである。

しかしながら、酸化数を割り振るということな、任意性がある場合があるので注意が必要である。

そこで、多くの知見で考えられてきたルールのようなものが存在する。ちなみに酸化数はPt(II)のように元素記号の後ろにローマ数字で書き、(  )をつける。

酸化数を決定するときのルールを紹介する。

1 : 単体中の原子の酸化数は0とする。

例: P4ではPの酸化数は0である。

2: 単原子イオンの酸化数はそのイオンの電荷と同じである。

例: S2-の酸化数はS(-II)である。

3: 非金属元素と結合したHの酸化数は+1である。

例: NH3で酸化数はN(-III)、H(I)である。

4: Hが金属と結合した場合のHの酸化数は-1である。

例: LiHでは酸化数はLi(I)、H(-I)である。

5: 共有結合性の分子や多原子イオン中の各原子の酸化数は各結合ごとに2原子間に共有されている電子対を電気陰性度の大きいほうの原子に与える。このようにして、得られた各原子の電荷を酸化数とする。よって、最も電気陰性度の大きいFは化合物中で常にF(-I)である。

例: SF6では酸化数はS(V)、F(-I)である。MnO4-ではMn(VII)、O(-II)である。

6: 同じ元素の結合では、電子対を両方に等分する。

例: O3SSO32-ではS(V)、O(-II)である。

7: Oの酸化数は化合物中で一般に-IIとなる。しかし、O2-ではO(-1/2)、O2FではO(+1/2)、OF2ではO(II)である。