化学徒の備忘録

化学系の用語や論文、動画などを紹介していきます

分析化学

銀塩化銀電極(Ag/AgCl)と可逆水素電極(RHE)の電位の換算方法

銀塩化銀電極(Ag/AgCl)と可逆水素電極(RHE)の電位の換算式 銀塩化銀電極(Ag/AgCl)と可逆水素電極(RHE)の電位はpHの影響を考慮して、次の式で換算することができる。 E(RHE) = EAg/AgCl + 0.059 pH + EoAgAgCl またEoAgAgClは25℃では次の値である。 EoAgAgCl …

【化学クイズ】25℃の水のpHを求める方法

25℃の水のpHを求めよう 水のイオン積は25℃の場合である。 純水の25℃でのpHを求めよう。 解答編 pHは水素イオン濃度の対数なので、まずは水素イオン濃度を求めます。 水の電離平衡は、次のようになります。 2H2O ⇄ H3O+ + OH- 反応後のをxと置くと、次のよう…

【化学クイズ】40℃の水の水素イオン濃度

40℃の水の水素イオン濃度を求めよう 水のイオン積は40℃の場合である。 純水の40℃でのを求めよう。 解答編 水の電離平衡は、次のようになります。 2H2O ⇄ H3O+ + OH- 反応後のをxと置くと、次のように整理できます。 H2O H3O+ OH- 反応前 56 0 0 反応後 56-2x…

【化学クイズ】25℃の水の水素イオン濃度

25℃の水の水素イオン濃度を求めよう 水のイオン積は25℃の場合である。 純水の25℃でのを求めよう。 解答編 水の電離平衡は、次のようになります。 2H2O ⇄ H3O+ + OH- 反応後のをxと置くと、次のように整理できます。 H2O H3O+ OH- 反応前 56 0 0 反応後 56-2x…

水の水素イオン濃度・pHを求める計算方法

水のみの場合の水素イオン濃度・pHを求める計算方法です。 水のみの水素イオン濃度・[H3O+]・[H+] 水の電離平衡は、次のように表されます。 H2O + H2O ⇄ H3O+ + OH- よって平衡定数式は次のようになります。 しかし上の式を計算で使う場合は少ないです。なぜ…

【化学クイズ】10℃の水の水素イオン濃度

10℃の水の水素イオン濃度を求めよう 水のイオン積は10℃の場合である。 純水の10℃でのを求めよう。 解答編 水の電離平衡は、次のようになります。 2H2O ⇄ H3O+ + OH- 反応後のをxと置くと、次のように整理できます。 H2O H3O+ OH- 反応前 56 0 0 反応後 56-2x…

【化学クイズ】完全燃焼から組成式を求める方法

完全燃焼から組成式を求めよう C、H、Oから構成される物質10.0 mgを完全燃焼させた。このとき、26.4 mgのCO2と6.0 mgのH2Oが生じた。この物質の組成式を書きましょう。 原子量はH = 1.0、C = 12.0、N = 14.0、O = 16.0とする。 解答編 組成式CaHbOcNdは各元…

カール・フィッシャー法:水分定量法

カール・フィッシャー法とは カール・フィッシャー法 (Karl-Fischer method) とは、水分の定量法である。 ヨウ素、二酸化硫黄、ピリジンなどを無水メタノール溶液としたものをカール・フィッシャー試薬といい、このカール・フィッシャー試薬を水分と反応させ…

酢酸のイオン解離と酸解離定数

酢酸のイオン解離と酸解離定数 酢酸(CH3COOH)は水溶液中では次の式のようなイオン解離が起こる。 CH3COOH + H2O ⇄ CH3COO- + H3O+ この酢酸の酸解離定数は次の式で表すことができる。

水素イオン濃度からpHを計算する方法

水素イオン濃度からpHを計算する方法 ここでは、ある水溶液の水素イオン濃度がであるとして、pHを求めます。 pHは水素イオン濃度の対数を表す値であり、次の式によって定義されます。 上の式に水素イオン濃度を代入します。 すると、 となりpHは4.0と求める…

水のイオン積を用いて水酸化物イオン濃度からpHを計算する

水のイオン積を用いると、水酸化物イオン濃度が分かればpHを計算することができます。 ここでは25 ℃とします。このとき水のイオン積は次の通りになります。 水酸化物イオンの濃度をとします。 このとき水のイオン積の式に水酸化物イオンの濃度の値を代入する…

水のイオン解離と水のイオン積とpH

水のイオン解離と水のイオン積 水溶液の溶媒としての水は、水自身が次の式の反応によって水素イオン(H+)もしくはオキソニウムイオン(H3O+)と水酸化物イオン(OH-)とにわずかに解離している。 H2O + H2O ⇄ H3O+ + OH- この反応は右方向と左方向の反応が同時に…

水の水分子の濃度

水の水分子の濃度 実験や分析、計算では水溶液を用いる場合が多くある。 このとき、水は溶媒であり、溶けている物質である溶質の濃度に着目することが多い。しかし、水もまた分子であるため、水の水分子の濃度も計算することができる。 ここでは計算を簡単に…

酸解離定数KaとpKa・塩基解離定数KbとpKb

酸解離定数KaとpKa 酸の解離反応の平衡定数を酸解離定数という。 弱酸 (HA) の解離を次のように表す。 各濃度をで表すとき、酸解離定数は次の式で求めることができる。 この酸解離定数の値が小さい酸ほど弱酸である。 また酸解離定数の対数にマイナスをつけ…

パルス法・パルス吸着法

パルス法 パルス法は、試料に気体分子をパルス状 (断続的) に導入し、導入した気体の量と排出された気体の量の差から 、試料の金属量や活性点量を測定する方法である。 パルス法は気体分子の吸着を利用する方法と触媒反応を利用する方法がある。 パルス吸着…

ラマン分光分析法とラマン散乱現象

ラマン分光分析法 ラマン分光分析法は分子振動に由来するラマン散乱スペクトルを測定する分析方法である。 分子振動による散乱スペクトルを測定するため、赤外吸収法と類似した測定方法である。 レーザー光を試料の局所部分に照射し、散乱ラマン線を測定する…

X線回折法(XRD法)

X線回折法 (XRD法) X線回折法 (X-ray diffraction法、XRD法) とは結晶や粉末にX線を照射し、そこで起きるX線の回折像やパターンを解析することで、結晶の原子の配列や分子の構造を調べる方法である。 結晶や分子にX線を照射すると、X線は結晶を構成する原子…

電気浸透流:キャピラリーに電圧を印加すると生じる流れ

電気浸透流とは 電気浸透流 (electro-osmotic flow, EOF) とはキャピラリーの両端に電圧を印加したときの溶媒自体の流れのことである。特にキャピラリー電気泳動において起こる。 キャピラリーとして用いるフューズドシリカキャピラリーにアルカリ性の溶液を…

キレートとキレート効果:キレートの生成定数が大きい理由

キレート 一つの金属イオンに対して、配位することのできる配位原子 (錯形成官能基) を一つしかもっていない配位子を単座配位子、一つの配位子が配位原子を二つもっているものをニ座配位子という。そして、一つの配位子が配位原子を二つ以上もっているものを…

活量係数を求める式:拡張デバイ-ヒュッケルの式・デービスの変形式

デバイ-ヒュッケルの式 デバイ-ヒュッケルの式は活量係数を計算することができる理論式である。しかし、デバイ-ヒュッケルの式は非常に希薄な溶液でなければ適用できない。 デバイ-ヒュッケルの式はイオンiの電荷を、イオンの活量係数を、溶液のイオン強度を…

イオン強度とデバイ-ヒュッケルの極限法則(イオン強度の法則)

イオン強度とは イオン強度 (ionic strength) とは、水溶液の中に溶けている1種類のイオンまたは数種類のイオンの合計の示す働き (相互作用) の強さの尺度のことである。 イオン強度は、イオンの濃度を、個々のイオンの電荷数をとすると、次のように表される…

活量と活量係数・平均活量と平均活量係数

活量と活量係数とは 活量とは、混合理想気体や希薄な溶液などの理想体系の化学ポテンシャルと、実在溶液などの現実の系の化学ポテンシャルとの差を補正するために導入される熱力学的濃度のことである。濃度の表し方として、モル分率、質量モル濃度、モル濃度…

モル濃度・容量モル濃度・モーラー

モル濃度 モル濃度は溶液の濃度の表し方の一つであり、単位は一般的にmol/Lである。(SI組立単位ではmol m-3である。) 1モル濃度 (mol/L) は1 Lの溶媒中に溶質1 molの物質を含む溶液である。 モル濃度の単位であるmol/Lは、Mとも表されることがあり、また、物…

滴定の反応による分類

滴定 容量分析を行う際に用いられる操作に滴定がある。一般的に滴定は、分析を行う目的物質を含む試料溶液に、濃度が既知であり、目的物質と定量的に反応する物質の溶液である標準液をビュレットから滴下する。そして、目的物質の全量が定量的に反応し終わっ…

逆滴定:反応が遅い試料に行う滴定法

逆滴定とは 逆滴定 (back titration)とは、容量分析における滴定法の一種であり、間接的に試料の量を求める方法である。残余滴定もしくは余剰滴定ともいう。 逆滴定では測定の対象となる試料溶液に、試料に対して過剰量となるように既知量の標準液を加えて十…

規定度:溶液1L中の溶質のグラム当量

規定度とは 濃度単位の一つに規定度 (nomality、N) がある。規定度とは、溶液1 L中に物質何グラム当量(eq) が含まれているかを表している。SI単位ではないため、モル濃度などと比べると使われる頻度は少ないが、定量分析などでは規定度が用いられていること…

オストワルトの希釈律:弱電解質の濃度と電離度の法則

オストワルトの希釈律とは オストワルトの希釈律 (オストヴァルトの希釈律、希釈律、希釈の法則) とは弱電解質の濃度と電離度に関する法則である。 ドイツのF・W・オストワルトによって提唱された。 弱電解質の電離していない電解質分子と電離したイオンの間…

希釈と計算式・希釈度・希釈熱

希釈とは 溶液に純溶媒を加えて濃度を薄める操作を希釈という。 純溶媒と溶質を混合することを溶解というが、希釈も混合の一種であるといえる。 希釈するために、採取する元の溶液 (濃い溶液) からとる物質量と希釈溶液中の物質量は等しくなる。そのため、元…

希釈効果:滴定の体積増加による影響

希釈効果とは 滴定などの容量分析を行うとき、滴定液を滴下することによって、測定する溶液の体積が増加し、この体積増加によって濃度が低くなる。このことを希釈効果 (dilution effect) という。 この希釈効果は理論滴定曲線からのズレに相当する。しかし、…

分析濃度と平衡濃度

分析濃度と平衡濃度 分析濃度とは、溶解した物質の全濃度のことであり、と表される。よって、溶液中の物質のすべての化学種の濃度の和がとなる。 平衡濃度は、溶解した物質のある一つの化学種の濃度でありと表される。 分析濃度、平衡濃度はモル濃度で表され…