化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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水のイオン積を用いて水酸化物イオン濃度からpHを計算する

 

水のイオン積を用いると、水酸化物イオン濃度が分かればpHを計算することができます。

ここでは25 ℃とします。このとき水のイオン積K_wは次の通りになります。

 \displaystyle  [ \rm H^+ ] [ \rm OH^- ] = \it K_w = \rm 1.0 \times 10^{-14} ( \rm M^2)

水酸化物イオンの濃度を \displaystyle  [ \rm OH^- ] = 1.0 \times 10^{-5} ( \rm M) とします。

このとき水のイオン積の式に水酸化物イオンの濃度の値を代入すると次の式が得られます。

  \displaystyle  [ \rm H^+ ] \times 1.0 \times 10^{-5} = \it K_w = \rm 1.0 \times 10^{-14}

よって、水素イオンの濃度は次のように求めることができます。

 \displaystyle  [ \rm H^+ ]= \it K_w = \rm 1.0 \times 10^{-9}

pHは水素イオン濃度の対数であり次の式で定義されます。

 \rm pH =  - \log [ H ^+ ] = \log \frac{1}{[ H ^+ ] }

よって、水素イオン濃度を上の式に代入すると次のようになります。

 \rm pH =  - \log \{ \rm 1.0 \times 10^{-9} \} = 9.0

よって、この水溶液のpHは9.0と求めることができます。

濃度の単位のMはモーラーと読み、mol/Lと同じです。