化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

理系の筆者が化学系の用語や論文、動画、ノウハウなどを紹介する化学ブログ

2022-02-26から1日間の記事一覧

【物理化学】蒸気圧降下とラウールの法則・浸透圧とファントホッフの法則

蒸気圧降下とラウールの法則 溶媒に不揮発性の溶質を溶かすと、溶媒の蒸気圧が降下し、その降下率が溶質のモル分率に等しくなる現象をラウールの法則という。 純溶媒および溶液の蒸気圧をそれぞれ、、とし、溶質のモル分率をとする。は溶質の分子数÷溶質の分…

【物理化学】相と分留・蒸留の仕組みについて解説

相 明確な境界によって、他と区別される物質系の均一な部分を相(phase)という。相が気体、液体、固体の状態であるのに対応して、それぞれ、気相、液相、固相と呼ぶ。 純物質の相を純相、2つ以上の成分を含む混合物の相を溶相という。 ただ1つの相からなるも…

【物理化学】凝固点降下と沸点上昇の原理をわかりやすく解説

凝固点降下 溶質が溶媒に溶けて、溶液の凝固点が降下する現象を凝固点降下という。希薄な溶液の凝固点降下度(K)は溶媒固有のモル凝固点降下定数(K/質量モル濃度)と質量モル濃度(mol/溶媒1 kg)の積である。 上の関係を式にすると下のようになる。 溶媒1 kg中(…

炭素のβ崩壊と放射性炭素年代測定

炭素のβ崩壊と放射線炭素年代測定 14Cは放射性の不安定元素である。そして、14Cはβ線(電子線を放出して14N(が14N++ 電子)になる。この原子核の変化は1次反応として解析することができる。半減期は5730年である。 大気中の二酸化炭素の同位体14CO2は地球に…

【電気化学基礎】標準水素電極と標準還元電位

標準水素電極 25℃において、電池内のすべての物質が105Paで活量が1、電流が流れていない状態を標準状態という。H+イオンが関与する反応では pH = 0 (近似的には1 mol の酸)の条件である。 電極の電位は標準電極を基準として、測定される。電極電位の基準とし…