化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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学振・申請書で役立つ文章術:文を推敲する時のポイントと方法

文を推敲する際のポイント

学振の申請書などでは、文章の推敲が採択率を上げる方法として紹介されるケースも多いと思います。ここでは、文章を推敲する際に意識するといいポイントや推敲をする際の方法を紹介します。

ポイント1: 文に間違いや論理の破綻がないかチェックする

文章に間違いがある場合は、伝えたい内容が正しく伝わらないため通常の文章はもちろんですが、申請書などでは致命的なミスになりかねません。
同様に文章の論理の破綻も、相手に意味が伝わらなくなるため、注意して確認するべきポイントです。

ポイント2: 誤字脱字がないかチェックする

誤字や脱字は頻繁に起こるミスの1つです。誤字や脱字は必ずあると思って文章を確認するくらいで問題ないと思います。特にパソコンで文章を執筆していると、誤操作で文字を消していたり、誤変換があることはよくあります。
既に、校正機能などがWordなどにもありますので、活用していくことも有効です。しかしながら、まだこういった機能でも、誤字や脱字を完璧には見抜けないことがあります。

また、申請書などでは専門用語や固有名詞なども多く使うことになると思います。普段、英文の論文を読む機会が多く、逆に日本語は読みなれていない場合などは、違和感で感じ取れないケースもあるかもしれません。専門用語や固有名詞にも注意が必要です。

ポイント3: 主語と述語の関係をチェックする

通常の文は、主語と述語で成り立っています。しかしながら、日本語の文章では、主語などを省略しても、文としては成り立っているように思えるケースはよくあります。
通常の文章であれば、問題ないかもしれませんが、読み手に対して、ストレスなく、わかりやすく伝えることが重要になる申請書などであれば、必要な主語と述語がセットになっているかを確認しましょう。

主語と述語は近づけておく

主語と述語が文中で離れていると、主語と述語の対応関係がぼやけることがあります。主語と述語は近づけておくと、わかりやすいケースが多いです。

ポイント4: 表記や用語を統一する

専門用語や表記などは、その分野で適切なものがあることが一般的です。しかしながら、元が英語の用語や、教科書などがそろっていないような新しい分野では、用語や表記など統一されていない場合もあります。特にそういった場合では、申請書中で用語や表記などが適切に統一できるかどうかをチェックしておきましょう。

ポイント5: 文への文字の付け加え、文字を削ることを検討する

文章が読みやすくなるようになる場合は、文章に文字を付け加えて、意味がわかりやすくならないかを検討してみましょう。
また逆に文章の文字を削って、読みやすくならないかを検討してみましょう。特に文章の長さが長くなりがちな人は、文章を2つに分けた方がわかりやすい文章にならないかなどを考えてみるといいです。また、文章はシンプルにできないかどうかは考えながら、文章を直していくといいです。

ポイント6: 表現を差し替えた方がいいか検討する

文章の表現を別の表現に変えたほうが、意味が伝わりやすい場合や、意図がはっきりする場合もあります。文中の表現を別の表現に差し替えた方がわかりやすくならないかを確認してみましょう。

ポイント7: 文章の句読点の使い方をチェックする

「、」と「。」のような句読点は、文章の意味を明確にすることや、文章のリズムを作るといった効果があります。句読点を打つ場所も、最適かどうかを意識して、文章をチェックしてみるといいでしょう。

ポイント8: 文章に図や表などが加えられないか検討する

文章で適切に訴えることは大切ですが、場合によっては文章よりも図などで示した方がわかりやすいこともあります。すべての内容を図や表に置き換えることがいいわけではありませんが、図や表を足したり、加えた方がわかりやすい部分では、図や表を使えないか検討してみましょう。

推敲をするときに役立つ方法

文章を推敲するときに、よく使われる方法があります。人によって、自分に向いているものや向いていないものがあると思いますが、よく使われる方法が自分にあっているかどうかは考えてみたり、試してみるといいかもしれません。

方法1: 声に出して読んでみる

文章を声に出して読む音読は、文章をチェックするうえで有効な方法の1つです。誤字脱字に気づける可能性が上がるほかに、すらすら読めない文章や、読みにくい文章などのリズムの悪さから句読点の位置のおかしさに気づけることもあります。

方法2: 印刷して読んでみる

多くの方は、文章はパソコンを使って書いていると思います。そういった方は、紙にプリントアウトしてみることも1つの手段です。
印刷することによって、
・全体を俯瞰してみることができる
・読み手の意識で、第三者的な視点から読むことができる
などの効果が期待できます。

方法3: 時間をおいて読んでみる

ある程度、時間をおいてから読み直してみることによって、自分が書いている最中には気づけなかったミスや、文章構成のおかしな点、論理の破綻などに気づきやすくなるケースもあります。

方法4: 別の人に読んでもらう

別の人に読んでもらうことは、非常に効果的な方法の1つです。読んでもらう相手は、必ずしも専門家ではなくても、その分野の素人であっても効果的な意見やコメントをもらえるケースも多くあります。