化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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学振の申請書作成でライバルと大きく差がつくのは何月か?

博士課程に進学を予定している学生であれば、日本学術振興会 特別研究員(DC1・DC2)(通称 学振、がくしん)の申請書を申請すると思います。
博士課程で申請する資格があれば、学振の申請書を書くことによって、自己分析や研究の計画力、研究への理解のブラッシュアップに繋がりますので、積極的に申請書を作成し、提出するべきでしょう。

一方で、例えば日本のほとんどの博士課程への進学は、受け入れ先の研究室の教員と話ができていれば、入学試験で、まず落ちることはありません。しかしながら、学振は指導教員がこの申請書は良い申請書だと認めていても、落ちることがあるような倍率となることが予想されます。それだけライバルが多い制度です。

おおよそ毎年2月初旬から中旬に、その年の募集要項や申請用のファイルが公開されます。そして学内の申請書の締め切りは4月末~6月程度に設定されることが多いです。

ここで、気になることは、ライバルはいつ頃から学振の申請書の執筆に力を入れているか?ということです。もし身近に学振の申請経験者がいれば聞いてみてもいいかもしれません。
しかし、他にもデータから推測することもできます。ここでは、そのデータを1つ紹介したいと思います。

検索トレンド

上は学振というキーワードのGoogleの検索トレンドを2021年10月~2022年10月でプロットしたものです。

このデータを最終的にどのように解釈するかは、もちろんあなた次第です。
例えば採用された人が学振と検索している場合も考えられます。

ただデータとして、3月下旬から検索数が大きく伸びます。そして4月から5月末まで一定のピークを迎え、急激に検索数が減ります。
その後、9月末に検索数が最大となります。

まず9月末は採用者が発表され、関係者が一斉に調べたと考えることが無難でしょう。

そして、4月~5月のピークは学振の申請者が一斉に申請書の様式や、過去に採用された人の申請書、学振の書き方のアドバイスなどを検索したと考えることができます。
年によって、多少の傾向の差異はありますが、3月下旬から検索数が増えることは例年一緒です。
学生が、3月下旬に開催された春の学会発表を終えて4月になったら、学振の締め切りが1~2ヶ月先と迫っていたので、そろそろ本腰を入れようという姿が目に浮かぶような気がしませんか?

逆にいうと3月上旬~中旬はライバルと差をつけるチャンスと捉えることができるのではないでしょうか?
3月のうちに申請書を完璧に完成させる必要はありません。ただ、申請書の初稿を完成させ、3月のうちに指導教員や先輩に一度見てもらい、アドバイスをもらうことで、申請書の質を高めるという動きが、ライバルと差をつけるためにも理想的といえそうです。