化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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ResearchRabbitとは?!論文の繋がりを可視化できるサイトで論文検索を効率的に!

研究活動を行ううえで、重要なのが文献や論文の調査です。論文の検索などを効率よく行うことができれば、研究の効率の向上に繋がります。
研究においては、論文そのものが書いていることも重要ですが、その論文が引用している論文、その論文を引用している(被引用)論文といった論文の繋がりも研究の繋がりを理解するうえで重要です。

こういった論文間の繋がりを可視化できるサイトがResearchRabbitです。ResearchRabbitは、論文と関連する論文の可視化や、関連している研究者の可視化などを行う研究プラットフォームです。

ResearchRabbitの主要な機能

論文の繋がりを可視化できる

論文の繋がりは引用文献欄をすべて確認していくのは、時間もかかりますし、イメージしにくい場合もあります。そういった場合は、可視化できることが非常に理解を助けます。
特に論文の抄読会や雑誌会(ジャーナルクラブ)といった1つの論文を深く読み込む場合、前後の雑誌の関係などが可視化できるため、非常に理解が捗ります。

オススメの論文を紹介してくれる

例えば、Youtubeでは、あなたのの気に入った動画を視聴したり、プレイリストにまとめたりしていくと、あなたにオススメの動画が表示されるようになるという経験をしたことがある人は多いと思います。ResearchRabbitはこれの論文を行うことができ、興味のある論文を追加していくと、それらの関連性などから、あなたにオススメの論文を紹介(描画)するようになります。

ResearchRabbitの使い方の具体例

実際にResearchRabbitにアクセスすると次のような画面にアクセスできます。SIGN UPから登録すると利用できます。もちろん無料です。

実際の使用サイトは以下のようになります。
今回は左の部分にお試し用というラベルを付けて、Collectionを作成しました。Collectionは、関連文献のまとまりなどと思うといいと思います。コレクションしたい論文をCollectionに追加しておくイメージです。YoutubeやSpotifyなどの音楽アプリのプレイリストに追加していくというイメージです。

Add Papaersから論文を登録します。
検索窓は以下のようになります。
論文のタイトルの他にDOIやPMID、Keywordで論文を追加できます。
キーワード検索は、すべての研究領域に対応するSemanticScholar検索エンジン、生物医学研究者向けのPubMed検索エンジンのどちらかを選んで検索できます。
論文タイトルは、既に知っている論文のタイトルを検索できます。これは「完全一致」ですので、論文のタイトルのコピペを推奨します。
ほとんどの論文は論文の固有の識別子であるDOIがありますので、DOIからも検索できます。もちろんコピペを推奨しますが、これが便利ではないかと思います。

他にも文献管理ツールのZoteroと接続することもできます。Zoteroを使っている方はこちらのほうが便利かもしれません。

基本的に別の検索エンジンや、Elicit.orgなどを活用して興味のある論文や注目する論文を一報選んでから、ResearchRabbitで関連論文を調べていく方法がオススメです。

今回は論文のDOIを入力してみました。

論文の追加結果を見てみましょう。
追加された論文の他に、
・Similar Work (類似した研究)
・All References (論文の参考文献)
・All Citations (論文を引用している文献)
などを選んで表示できます。

そして、今は右側に論文の関連のNetworkが表示されています。緑の丸がCollectionに追加した論文青の丸が他にResearchRabbitによって検索された、あなたへのオススメ論文といえます。当然、Collectionに論文を多く追加すると緑の丸が増えていきます。
また、丸をクリックすると各論文の詳細を見ることができます。
線は、一方の論文が、他方の論文を引用していることを表しています。
丸の色の濃さは、論文の新しさを表していて、新しい論文ほど濃い色で表示されます。古い論文は色が薄くなります。
つまり、この論文でいうと、多くの論文が別の論文を引用し、ネットワークができていることがわかります。
では、別の論文を追加して、切り替えてみます。

上の論文の例では、類似研究がいくつかのネットワークのグループに分かれていることが可視化されています。研究テーマやグループなどによって、論文の繋がりにも様々なパターンがあることがよく分かります。

Similar Workの描画をNetworkからTimelineに切り替えました。
同様の研究がいつ頃盛んであったか、どの研究がブレイクスルーとなって、その研究分野が注目されたか、発展したかといったことも一目瞭然です。

また、青丸の論文を選んで、その論文の繋がりを、さらに調べることもできます。

実際によってみるとわかりやすいのですが、論文Aの類似研究論文Bの類似研究といったように、どんどん論文の類似研究や、引用論文などを辿っていくことができます。

これを活用すると、ある研究分野の中心的な論文を探すのが可視化され、非常にわかりやすいことが理解できると思います。

もちろん、論文を読んで、どの論文がどの文脈で引用されているかを確認して、どういった論文が重要かを調べていくことも大切です。こういったサイトを必要に応じて上手に使い分けていくことが大切です。

他にも、まだ紹介しきれていない機能などがありますので、時間があれば追記したいと思っていますが、論文調査が効率的で、楽しくできそうではないでしょうか?

ぜひ一度使用してみてください。

紹介したサイトのリンク

https://www.researchrabbit.ai/