研究発表の質疑応答
大学で研究室に配属され、研究成果がまとまると、卒論発表(卒業論文発表)や修論発表(修士論文発表)、学会発表、就活の技術プレゼンテーションなどで研究発表を行うことになるケースが多いです。そして研究発表は発表の後に、質疑応答の時間が設けられている場合が多いです。ただ、その質問はある程度想定することができます。
この記事では、研究発表に対して、よくある質問について挙げていきます。ただし、分野や研究内容、研究発表の場によって、当てはまらない質問、重箱の隅をつつくような質問もあると思います。一部重複する質問もありますが、自分のスライドのブラッシュアップのための自問自答や、質疑応答の対策として活用していただければ幸いです。
研究背景
研究の独創性
- どこに独創性(オリジナリティ)があるのか?
- その課題は本当に未解明なのか?
- その課題設定は新しいのか?
- そのアプローチ方法は新しいのか?
- 他の先行研究、類似研究との関係はどうなっているのか?
- 先行研究から変わった点はどこか?
主張の客観性や論理性
- 研究背景の説明内容に不足している部分はないか?
- その研究を行う必要性はなにか?
- その研究手法の有効性はあるのか?
- 実際に提案している応用展開につながると考えているのか?
- イントロダクションの内容と研究目的は論理的につながっているか?
- 研究目的を簡潔にまとめるとなにか?
主張の正確性
- その主張は正しいのか?
- 主張を裏付ける根拠はあるのか?
- 主張の根拠を正しく引用しているか?
- 他に主張していない内容はないか?
- 根拠の数が少なすぎることはないか?
- 解決しようとしている課題は全体の一部なのか、それとも全体なのか?
実験方法
実験方法の独創性
- 実験方法は新しく開発した手法か、それとも既知の方法か?
- 使用した装置は一般的なものか、それとも独自のものか?
実験方法の客観性や論理性
- その手法(実験方法、計算方法)を用いた理由はなにか?
- その材料を選んだ理由はなにか?
- その実験方法で知りたいことが本当にわかるのか?
- その装置のメーカー、型番はなにか?
- 実験方法は第三者が再現できるものなのか?
実験方法、操作の正確性
- 実験の過程をすべて網羅しているか?
- 計測誤差を考慮できているか?
- 試薬の名称やメーカー、量は正しいか?
- 実験方法の引用元は掲載できているか?
実験結果
実験結果の独創性
- 先行研究の結果と比較したか?
- 他の研究グループの研究結果と比較したか?
- 類似の研究結果と異なる点はどこか?
- 類似の研究結果と結果が異なる理由はなにか?
実験結果の客観性や論理性
- 他の条件では実験を行ったのか?
- その研究結果から主張までに論理の飛躍が起きていないか?
- 実験結果から伝えたいメッセージはなにか?
- 別の実験結果が必要ではないか?
- 複数の実験結果を適切に比較しているか?
実験結果の正確性
- 実験結果を正しく示せているか?
- 単位は適切か?
- 図やグラフの種類は適切か?
- 写真のスケールはなにか?(スケールバーは入っているか?)
- 再現性は確認しているか?
考察・結論
考察・結論の独創性
- 合成しただけで終わっていないか?
- 測定しただけで終わっていないか?
- 比較しただけになっていないか?
- 他の研究結果と比較した結果か?
- 既知の内容ではないのか?
- 結論は簡潔に言うとなにか?
考察・結論の客観性や論理性
- 得られた測定結果から、現象をすべて説明できるのか?
- 追加実験が必要ではないのか?
- マクロな視点からの実験が必要ではないか?
- 実験結果から結論までに論理の飛躍がないか?
- 結果の紹介で終わるのでなく、考察ができているか?
- 目的と結果が対応しているか?
考察・結論の正確性
- 本当にその主張をいうことができるのか?
- 今後の展望に大きな飛躍はないか?