内部エネルギーとは
内部エネルギーとは、系内の分子全体のエネルギーから系全体がもっているポテンシャルエネルギーと系全体がもっている運動エネルギーを除いたエネルギーである。
内部エネルギーは記号ではやで表される場合が多い。
系内にある物質のもつエネルギーとしては様々なものが考えられる。
しかし、化学で内部エネルギーを考える場合は、様々なエネルギーのうち、重力による位置エネルギーや物体が電界中に存在する場合に生じる電気的位置エネルギー、素粒子を結び付けている核エネルギーなどは、化学変化に関係しないため、あまり考えない。
そういったエネルギー以外の内部エネルギーを構成するエネルギーとして次のようなものが考えられる。
- 分子の熱運動(並進、回転、振動)のエネルギー
- 分子間の相互作用(分子間力、水素結合、溶媒和)による位置エネルギー
- 原子間結合による位置エネルギー
これらをまとめると、内部エネルギーは物質内の分子間力による位置エネルギーと分子の熱振動による運動エネルギーの和であるとまとめることができる。
また内部エネルギーのうち、特に位置エネルギーは、どこを基準とするかによって、その値は異なってくる。そのため、内部エネルギーの絶対値はあまり重要ではなく、内部エネルギーの変化量が重要となる。
系が外界より熱量を吸収し、仕事をしたときの内部エネルギーの変化量は次のようになる。
また、理想気体の場合には、位置エネルギーが0であるため、絶対温度での内部エネルギーはモル数を、気体定数をとすると次のようになる。