熱力学の第2法則:エントロピー増大の法則とは
エントロピーとは乱雑さの程度を表す量である。
そして、熱力学の第2法則はエントロピー増大の法則ともいわれ、膨大な数の粒子が関与しているときには、エントロピー(乱雑さ)が減少する方向には現象は進まないという法則である。
つまり、断熱系で不可逆変化が起きる場合は、エントロピーは必ず増大する。
また、変化が可逆的となる場合は、エントロピーの増加は0である。
自然界の現象では、部分的にみるとエントロピーが減少し、乱雑さが減っている場合もある。しかし、その場合でも、その周囲の環境まで考えた場合、全体としてはエントロピーは増大している。
熱力学の第二法則は、エントロピー増大の法則以外にクラウジウスの原理やトムソンの原理といわれる別の表し方がある。
クラウジウスの原理
クラウジウスの原理とは、周囲に何の影響や効果を残さずに、低音の熱源から高温の熱源へ熱を移すことは不可能であるというものである。
トムソンの原理
トムソンの原理とは、一つの熱源から熱を取り出し、周囲に何の影響も残さずに、この熱をすべて仕事に変えることは不可能であるというものである。