化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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【化学基礎】水和のシンプルな解説

水和

物質が水に溶ける場合、その物質の周りには水の分子(H2O)が存在します。この時、水よりも量が少ない方の物質は溶質といいます。溶質と水分子が静電的に引き合って、その溶質分子を取り囲むように水分子が結合する現象を水和といいます。

水は分子全体で見ると電気的に中性ですが、部分的に見ると電荷の偏りがあります。具体的には水分子の酸素は陰性、水素は陽性になっています。そのために、電気的に陽性の物質には水分子の酸素が、陰性の物質には水素が引き付けられます。

陽イオンの水和は水分子の酸素の非結合電子対が金属イオンと配位結合を作る現象です。逆に陰イオンの水和は、陰イオンが水分子の水素原子に配位する現象です。陰イオンの水和は水素結合である場合もあります。