化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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【化学基礎】疎水性と親水性疎水性相互作用のシンプルな解説

極性分子とは

正電荷と負電荷が偏った分子は極性分子とよばれる。水分子は極性分子の代表例である。極性分子が集合した場合、プラスとマイナスを帯びた部分が引き合うことによって、一定の構造を形成する。特に水分子の場合は、水素と酸素が互い違いに水素結合を形成する。

疎水性相互作用

このような極性分子の集合体の中に、極性の小さい炭化水素などの分子を加えると、非極性分子は拡散しないで集合する。これは極性分子間の安定な静電相互作用の間に、非極性分子が割り込んで静電相互作用を切断することが難しいからである。

この現象は疎水性相互作用によって非極性分子が集合した状態である表現される。

身近な例では、ラーメンのスープを見ると、ラーメンのスープに浮かんだ非極性分子である油はできるだけ、水と接触する面積を減らし、水分子間の水素結合を切らないように、丸くなっている。このように油の分子が互いに相互作用をして引き合って集合しているのではなく、なるべく水素結合を切断しないようにした結果である。

疎水性と親水性

こういった水とは相性が悪く水の水素結合を切断しようとしない分子の性質を疎水性という。対称的に、水が好む性質は親水性といわれる。