エンタルピー
エンタルピーは定圧下における系の熱含量を表す値である。エンタルピー変化が負である場合は発熱反応、正である場合は吸熱反応である。標準反応エンタルピーは標準状態(105 Pa, 298.15 K)において、反応物が生成物になるときの値である。
元素(単体)から化合物が生成する場合のエンタルピー変化を標準生成エンタルピーという。エンタルピーは状態量であるため、元素(単体)の標準生成エンタルピーを定義によって0として標準反応エンタルピーを下の式のように求めることができる。
エントロピー
エントロピーも状態量の一つであり、一つの状態が他の状態から自発的に到達可能かどうかの判断として使える量である。熱力学の第2法則では、隔離された系のエントロピーは自発的変化に伴い増加する。
つまり
熱力学的に不可逆なプロセスではエントロピーが生じる。
統計力学的にはエントロピーを系の乱れと関連づけて定義されている。
ここではボルツマン定数、は系のエネルギーが同じになる原子や分子の配列の数であり、系の乱れの大きさに対応している。系の乱れが大きいほど、エントロピーは大きくなる。
ギブズの自由エネルギー
ギブズの自由エネルギーは次の式で定義される。
自発反応が進行するのは、定温定圧で反応のギブズ自由エネルギーが負になる場合である。標準ギブズ自由エネルギーはA⇄Bの反応の平衡定数と、以下の関係がある。
が負になるととなるため、反応は右に進行する。