化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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エントロピー:系の乱雑さの程度を表す量

エントロピーとは

エントロピー (entropy, S) は熱力学的状態量の一つであり、系の乱雑さ、もしくは無秩序さの程度を表す量である。エントロピーが大きいほど乱雑さが大きいということができる。

エントロピーは、1865年にR.J.E. クラウジウス (Clausius) によって導入された。

絶対温度をT、準静的 (可逆的) 等温変化で閉じた系が吸収する熱量を \rm{d} Qとすると、系のエントロピー(S)の増加量である\rm{d} Sは次のように定義される。

\displaystyle \rm{d} S = \frac{\rm{d} Q}{T}

そのため、断熱可逆過程では \rm{d} Q = 0であるため、エントロピーの変化はない。断熱過程でエントロピーの増大が起こった場合は、不可逆な過程ということになる。

また、系のエントロピーSは、その系のミクロな状態数Wとボルツマン定数kによって、次のように表される。

S = k \ln W