化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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ボイルの法則の解説

ボイルの法則とは

ボイルの法則は低圧力で密度の小さい希薄な気体の熱力学的な系で成り立つ法則である。

温度Tが一定のとき、圧力pと体積Vは反比例する。

式で表すとつぎのようになる。

pV = (一定)

よって、圧力pを上げると、それに反比例して体積Vは収縮する。圧力pを下げると、それに反比例して体積Vは膨張する。

また、反比例であるため、ボイルの法則をpV図で表すと次のようになる。

f:id:syerox:20190219232501p:plain

pV図

ボイルの法則の歴史的経緯

ボイルの法則はイギリスのロバート ボイルによって、1660年に実験的に発見され、1662年に発表された。これとは独立に、フランスのマリオットが1676年に報告した。そのため、ボイルの法則をマリオットの法則、ボイル-マリオットの法則ともいう。特にフランスではマリオットの法則という名称が記されている場合が多い。

ボイルの法則の成立条件について

ボイルの法則は理想気体では厳密に成立する。しかし実在気体では、圧力が大きい場合はボイルの法則からずれ、pVは圧力の関数として変化する。これは、実在気体には分子に大きさがあることや分子間相互作用が無視できないからである。

しかし、低圧下では圧力によらず、ボイルの法則どおりの変化を示す温度が現れる。この温度のことをボイル温度という。