化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

理系の筆者が化学系の用語や論文、動画、ノウハウなどを紹介する化学ブログ

シュレーディンガーの波動方程式 (シュレーディンガー方程式) の解説

シュレーディンガーの波動方程式・シュレーディンガー方程式 電子は粒子としての性質と波としての性質をもっている。 そのため、シュレーディンガーは電子の運動に対して、波の運動を表す式を適用した。 このシュレーディンガーが導出した方程式は、シュレー…

一次元の箱の中の粒子 (井戸型ポテンシャル) の固有関数とエネルギーの導出

一次元の箱の中の粒子の固有関数とエネルギー 厳密にシュレーディンガー方程式を解くことができる例として、一次元の箱の中の粒子に対する問題がある。 この一次元の箱の中の粒子のモデルは、鎖状ポリエンに対する定性的なモデルとして用いることができる。 …

含浸法と吸着法・ポアフィリング法・蒸発乾固法・単純湿潤法・スプレー法の解説

含浸法 金属粒子を触媒として用いる場合、酸化ケイ素 (シリカ) や、酸化アルミニウム (アルミナ) などの耐熱性を有する酸化物粒子上に金属粒子が分散したものが用いられる。 このとき使用される 酸化物粒子のことを担体という。この担体の役割は、金属粒子の…

中性子回折・中性子回折とX線回折の違いの解説

中性子回折 結晶構造を決定するような結晶学的な研究において中性子回折を利用する場合がある。 ド・ブロイの関係は、ビーム状に運動する粒子が波の性質をもつことを示しており、次の式で表される。 ここで、は物質波の波長、は粒子の運動量であり、質量×速…

ボルタ電池の電極・反応・起電力の解説

ボルタ電池 銅 (Cu) と亜鉛 (Zn) を電極として、希硫酸に浸したときに成り立つ電池がボルタ電池として知られている。銅が正極、亜鉛が負極となる。 これは、1800年頃にボルタが考案したため、ボルタ電池といわれている。また、ボルタ電池は、一定の電流を取…

単純立方格子 (sc) の逆格子点の導出

単純立方格子 (sc) の基本並進ベクトル 方向の大きさが1の単位ベクトルをとする。 単純立方格子の格子の1辺の長さをとすると、基本並進ベクトルは次のように表される。 よって、外積を計算すると、次のようになる。 また、体積を計算すると、次のようになる…

面心立方格子 (fcc) の逆格子点の導出

面心立方格子 (fcc) の基本並進ベクトル 方向の大きさが1の単位ベクトルをとする。 面心立方格子の格子の1辺の長さをとすると、基本並進ベクトルは次のように表される。 よって、外積を計算すると、次のようになる。 また、体積を計算すると、次のようになる…

ブラウン運動・ミクロブラウン運動・マクロブラウン運動とは

ブラウン運動とは ブラウン運動 (Brownian movement, Brownian motion) とは、非常に小さい物体が、分子の熱運動によって、不規則に動く運動のことである。 例えば、溶液中のコロイド粒子のブラウン運動は、溶媒の分子の熱運動によって、コロイド粒子がラン…

NMRの温度可変測定について

NMRの温度可変測定 核磁気共鳴 (NMR) 測定の際に、サンプルの温度を変化させて測定が行われることがある。これを温度可変測定ということがある。 NMR測定にて、試料の温度を変化させる測定は錯体構造や立体配座の決定、熱力学定数の測定などで利用される。 …

NMRのシフト試薬・常磁性添加試薬とは

シフト試薬・常磁性添加試薬 核磁気共鳴 (NMR) 測定では、試料中に常磁性物質が混入すると、シグナルの幅が広くなったり、化学シフトが大きく動いたりする。 これを利用し、化学シフトを大きく動かすことで重なったシグナルの分離を行うことができ、スペクト…