化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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アルミニウム(ジュラルミン)と時効析出

アルミニウムと時効析出

アルミニウムに銅を4%程度固溶させて、溶体化処理をおこないその後、時効処理を行うと強度の高いアルミニウム合金が得られます。これはジュラルミンと呼ばれています。さらにマグネシウムを添加すると超ジュラルミン、超々ジュラルミンなどが得られます。

溶体化処理を行って均質な固溶体となっているAl-Cu合金を急冷して、過飽和な均質な固溶体を作ります。過飽和固溶体は、時間とともに変化が起きていきます。

まず銅原子はアルミニウム結晶格子の結晶面に集合します。この集合層はGP1と呼ばれています。さらに時効が進むと、銅原子の集合が規則的な配列をもったGP2という集団になります。さらに時効が進むと安定した結晶構造をもつ準安定相のθ相へ成長します。このθ相は母材とは分離されているため、これ以上の時効は進行しなくなります。