化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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ランタノイドとランタノイド収縮

ランタノイド (ランタニド)

57番元素のランタン(La)から71番元素のルテチウム(Lu)までの15の元素をランタノイドもしくはランタノイド元素という。また、ランタニドという場合もある。

具体的にはランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)の15元素である。

また、ランタノイド元素の性質はよく似ている。これは、ランタノイド元素は原子番号が大きくなると、内殻の原子の性質にあまり関与しない4f軌道に電子が入っていくためである。

ランタノイド収縮

ランタノイド収縮とはランタンからルテチウムまでのランタノイド元素で、原子番号が大きくなるほど原子の半径が小さくなる現象のことである。また、ランタノイド元素の+3価のイオンの半径も原子半径と同様に原子番号が大きくなるほどイオン半径が小さくなり、これもランタノイド収縮という場合がある。

周期表の57番元素のランタンから71番元素のルテチウムまでは、原子番号が大きくなると、電子軌道の内殻の4f軌道に電子が入る。ただし、途中で、5d軌道との反転充填もある。

これらの内殻電子は、4f軌道の形状のため遮蔽効果が不十分であり、原子番号が大きくなると、原子核の電荷の増加によって外側の電子をより強く引きつけるため、原子自体は収縮する。