化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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合金の寸法因子と価電子濃度

寸法因子

合金の固溶は、固溶される金属Aの原子半径r_Aの大きさと溶け込む元素Bの原子半径r_Bとの比が重要になります。この比を寸法因子といいます。この寸法因子はヒュームロザリーの経験則に基づく法則であり、原子容積効果ともいわれます。

鉄に対するさまざまな元素の合金化のしやすさを調べると、寸法因子が±15%以内のCr、Mn、Ni、Cu、Siならば、ほぼ完全に固溶します。

周期表でこれらの前後の金属であるPb、P、Sn、Ti、B、Cd、Mg、Sなどは寸法因子が大きく、多くの場合固溶が起こりません。

価電子濃度

価電子濃度は、合金を構成する金属の最外殻の価電子数に関する値で、価電子の総数を原子個数総数で割った値です。たとえば合金ABにおいてAが+2価、Bが+1価であり、原子個数の比率が50%:50%である場合、3÷2=1.5となります。

つまり価電子濃度は原子1個あたりの価電子数です。