化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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溶解現象・溶媒・溶質・溶液・溶媒和・水和について

溶解現象について

物質が液体に溶けて均一な液相になる現象を溶解という。身近には、食塩 (塩化ナトリウム) や砂糖 (ショ糖) を水に加えてかき混ぜたときに、均一な液相になる現象が溶解である。

溶解が起きるとき、塩化ナトリウムやショ糖など溶かす物質を溶質といい、水など溶かす液体を溶媒という。また、溶媒が溶質に均一に溶けた液体を溶液という。

溶質は必ずしも固体ではなく気体や液体の場合もある。例えば、酸素が水に溶けている場合、酸素は溶質である。

溶質分子に溶媒分子が結合することを溶媒和という。また、溶媒が水である場合、溶媒の水分子が溶媒分子に結合することを水和という。

日常的な"溶ける"と化学的な溶解の違い

例えば、絵を描くときに”絵の具を水や油に溶かす”という。しかし、この場合、絵の具である固体の色素 (顔料) は粒子状態で水や油に懸濁、分散しているだけで、溶解しているわけではない。溶解では、溶質は分子レベルで均一に溶媒に分散し、溶液は透明で濁りが無い状態である。一方で、固体が懸濁、分散している液体では、固体による光の散乱が起き、濁って見える。