化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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熱力学第0法則・熱平衡状態の解説

熱力学第0法則とは

Aと系Bが熱平衡状態にあり、同じ状態の系Aと系Cもまた熱平衡状態にあるならば、系Bと系Cも熱平衡状態であり、系Bと系Cの温度は等しい。

この法則を熱力学第0法則という。

これは、数学の公理であるA = B かつ A = C であるならば、B = C と同様である。

 熱平衡状態とは

下の図のように、高温 (T_h) の系Aと低温 (T_l) の系Bを互いに接触した状態で置く。そしてその周りを断熱材で覆う場合を考える。

この場合、時間の経過とともに高温の系Aから低温の系Bに熱が移動する。

そして、十分に時間が経過すると、2つの系の温度は同じ(T_m)となる。

このように2つの系の変化が終わった状態を熱平衡の状態という。

このとき、各系の温度はどの場所でも一定である。つまり平衡状態である。逆に、2つの系が熱平衡状態である場合、その2つの系の温度は等しい。

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熱平衡状態への移行