化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

理系の筆者が化学系の用語や論文、動画、ノウハウなどを紹介する化学ブログ

理想気体の状態方程式と導出

理想気体の状態方程式 理想気体の状態方程式は次のように表される。 ここで、は理想気体の圧力、は理想気体の体積、は理想気体のモル数、は気体定数、は理想気体の絶対温度である。 この状態方程式は、厳密には、理想気体のみでしか成立しないため、実在気体…

分子機械 (分子マシン) ・ナノカー・ナノ電車について

分子機械・分子マシンとは 分子機械 (molecular machine) とは、並進や回転などの制御された機械的な動作をする分子や分子集合体のことである。分子マシンということもある。 分子のスケールやナノスケールであることが一つの特徴であり、大きさがナノメート…

王水と逆王水について

王水とは 王水 (aqua regia) とは容積比で濃硝酸1と濃塩酸3の混合物の通称である。"いっしょうさんえん"などの語呂合わせで覚えている人も多いだろう。硝酸の塩酸の混合物の総称を王水といっている場合もある。他に希釈した王水のことを希王水ともいう。 希…

ボイル・シャルルの法則と導出の解説

ボイル・シャルルの法則とは ボイルの法則とシャルルの法則(ゲイリュサックの法則)を組み合わせた法則のことをボイル・シャルルの法則という。ボイルシャルルの法則と表記する場合もある。 気体の体積は圧力に反比例し、絶対温度に比例するという法則である…

走査型トンネル顕微鏡 (STM)・原理・測定試料について

走査型トンネル顕微鏡とは 試料表面に鋭くとがった針 (探針、プローブ) を1 nm以下に近づけて、試料と探針の間に流れるトンネル電流が一定になるようにし、原子レベルの試料表面の立体像を観察する顕微鏡のことを走査型トンネル顕微鏡 (Scanning Tunnelling …

シャルルの法則 (アモントンの法則・ゲイリュサックの法則)の解説

シャルルの法則 圧力が一定のとき、体積と温度は比例する。 (一定) 他に、次のような式で表される場合もある。 0℃での気体の体積を、℃での気体の体積をとすると次の関係が成り立つ。 は、すべての気体について一定である。現在はこのの値はとなっている。 こ…

ボイルの法則の解説

ボイルの法則とは ボイルの法則は低圧力で密度の小さい希薄な気体の熱力学的な系で成り立つ法則である。 温度が一定のとき、圧力と体積は反比例する。 式で表すとつぎのようになる。 (一定) よって、圧力を上げると、それに反比例して体積は収縮する。圧力を…

フェルミ準位の解説

フェルミ準位とは フェルミ準位とは、絶対零度において、有限個の電子をエネルギーの低い量子状態から順番に詰めていき、電子が満ちる最大エネルギー値のエネルギー準位のことである。 また、熱平衡の状態にある物質中のエネルギー準位を考えたときに、電子…

アマルガム・アマルガム法・歯科用アマルガム・アマルガムの合成について

アマルガムとは 水銀と他の合金の総称をアマルガム (amalgam) という。ギリシャ語の"柔らかいもの"という意味のmalagmaが由来である。汞和金 (こうわきん) ともいわれる。 金属の含有量によって、液体、ペースト状、固体などと変化し、一般的には水銀の分量…

結晶・単結晶・多結晶・微結晶についての解説

単結晶と多結晶について解説する。そのまえに、結晶とはどういったものかを確認しよう。 結晶とは 固体のなかでも、その固体の内部を構成している原子や分子、イオンの配列が三次元の周期性をもつものを結晶 (crystal)という。 逆に固体の内部を構成している…