化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

理系の筆者が化学系の用語や論文、動画、ノウハウなどを紹介する化学ブログ

フェルミディラック分布関数(Fermi-Dirac分布関数)の導出

フェルミディラック分布関数の導出 フェルミディラック分布関数 (Fermi-Dirac分布関数) を導出する。 とり得るエネルギーはであるとする。 各エネルギー準位に個の縮退した状態があり、そこに個の粒子が配置されるとする。ただし、とする。 そこでエネルギー…

Langmuirの吸着等温式の導出

Langmuirの吸着等温式の導出 Langmuirの吸着等温式(Langmuir式、ラングミュアの吸着等温式)は吸着等温式の中でも古いものの一つである。 このLangmuir式の導出は、次の仮定からはじまる。 固体面に吸着席があり、そこには一つの分子(原子)のみが吸着する。ま…

自然素材系塗料と樹脂系塗料について

塗料について 塗料は素地となる材料の表面に塗ると、乾燥し表面に固着して皮膜を作る。 そのため塗料は材料の保護や着色、光沢などの美観、防火などの機能の付与などの目的で使用される。 塗料は原料によって、自然素材系塗料と樹脂系塗料に大きく分類するこ…

吸着等温線と各タイプの特徴について

吸着等温線・吸脱着等温線について 単位量の吸着媒あたりの吸着量()を温度()一定の条件下で圧力()の関数として測定し、吸着量()と相対圧()の関係を表した曲線を吸着等温線とよぶ。ここで、は気体の温度での飽和蒸気圧である。 IUPACでは下に示すI~VIまでの6…

核反応の機構、複合核モデル、直接過程について

核反応の機構を説明するモデル 核反応の機構を説明するモデルとして、複合核モデルや直接過程とよばれるモデルがある。これらは核反応の種類を限定すると、核反応の機構をよく説明できるモデルである。 複合核モデルについて 複合核モデル(compound nucleus …

物理吸着と化学吸着の特徴について

吸着の分類 清浄な固体表面と気体分子(原子)が接触すると、固体表面原子と気体分子(原子)との相互作用によって表面に気体が吸着する。 この相互作用の仕方によって吸着現象は物理吸着(physisorption) と化学吸着(chemisorption) の2種類に分類することができ…

量子ドットの特徴、用途について

量子ドット・QDとは 量子ドット(quantum dot)、QDとは、ド・ブロイ波長程度の大きさの領域に電子を閉じ込めた0次π電子系のことである。また、直径が数nmの半導体ナノ粒子のことを量子ドットということがある。 これは半導体ナノ粒子のような三次元的な閉じ込…

部分モル体積についての解説

部分モル体積の必要性 例として、水(H2O)の体積をVとします。 体積VのH2Oと体積VのH2Oを混合すると、体積2VのH2Oとなります。 この、体積の加算性について、1 molあたりの体積(モル体積)で説明することができます。 しかし、エタノール(EtOH)の体積をVとして…

コンクリートの特徴、組成、セメント、鉄筋コンクリートについて

コンクリートとは コンクリートは無機質または有機質の結合材によって骨材を結合一体化した硬化体、もしくは硬化する前の混合物である。 コンクリートは強度、価格、施工の容易さなどから最も優れている建築資材の一つである。建築物、道路、ダム、高架橋、…

遷移金属錯体の色とd-d遷移・電荷移動遷移・配位子の吸収について

遷移金属錯体の色やその色の理由であるd-d遷移(LF遷移)、電荷移動遷移(CT遷移)、配位子の特性吸収について解説しています。