化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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【化学クイズ】原子・イオンの電子配置の書き表し方

原子、イオンの電子配置を書き表わせ

1: Li

2: Li+

3: Ne

4: Ca

5: Ca2+

6: Fe

7: Fe3+ 

上記の原子、イオンの電子配置について

A: O=K2L6

B: O = 1s2 2s2 2p4

の2通りの書き方で書いてください。

 

解答編

原子核の周りの電子は電子軌道という位置に分布しています。そこで、各原子の電子がどの電子軌道に入っているのかという電子配置を書き表わすことが今回のクイズです。

AはK殻やL殻という殻のどこに電子が入っているかを、電子の数を上付きの数字で表わしています。

Bは1s軌道や2s軌道のどこに電子が入っているから、電子の数を上付きの数字で表わしています。

解答する際の注意点としては、各殻や各電子軌道に入る電子の数が決まっているという部分に気をつけると解答できます。具体的には、電子配置と収容可能な電子数は次の表のようになります。

f:id:syerox:20210921125739j:plain

電子殻に収容可能な電子数

各原子の電子数は原子番号と同じ数、イオンの電子数は陰イオンの場合は価数の分だけ電子が増え、陽イオンの場合は価数の分だけ電子が減っていることを考えると、数えることができます。

実際の解答は次の通りです。

1: Li

A: Li =  K2L1

B: Li = 1s2 2s1

2: Li+

A: Li+ =K2 

B: Li+ =  1s2 

3: Ne

A: Ne = K2L8

B: Ne =1s2 2s2 2p6

4: Ca

A; Ca = K2L8M8N2

B: Ca =1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 4s2 

5: Ca2+

A; Ca2+ = K2L8M8

B: Ca2+ =1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 

6: Fe

A: Fe = K2L8M14N2

B: Fe =1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 3d6 4s2 

7: Fe3+

A: Fe3+ = K2L8M13

B: Fe3+ =1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 3d5