電子殻とは
電子殻とは、原子を構成する核外電子の中で、同じ量子数をもつ電子の群のことである。
電子殻という考え方は、原子を、卵のように中央の正電荷をもつ原子核(卵の黄身)と、そのまわりに電子の存在する場所が殻のようにある原子模型を考えている。
そして、原子核の最も近い電子殻をK殻、原子核に2番目に近い電子殻をL殻、原子核に3番目に近い電子殻M殻とアルファベットのKから順番に名付けられている。
また、各電子殻には電子の数に制限があり、ある数以上の電子は電子殻に入ることはできなくなる。電子の数は、K殻では2個まで、L殻では8個まで、M殻では18個までと決まっている。この電子の個数はを整数とすると、個なっており、は原子核から何殻目かに対応している。また、一般的にこのを主量子数という。
原子核と電子殻の間のクーロン力
原子では、原子核はに荷電し、電子はに荷電している。よって、原子核と電子の間にはクーロン力が働く。また、このクーロン力は電荷間の距離が近いと大きく、離れると小さくなる。さらに、実際には原子核と電子殻の間に働くクーロン力の間には電子殻(電子軌道)による遮蔽や貫入が起こる。