専門的な分野には用語というものが存在します。この用語があるから専門的な議論が楽にできるわけですが、とくに学び始めのころはその用語の意味をしっかり理解できていなかったりします。そんなときは、用語集や教科書などで確認をすることになるわけですが、ではどれを確認するといいのかという問題になります。
また、どの分野でもそうだと思いますが、用語も技術の発展で追加されたり変更されたりすることがあります。ここで用語も、どの定義を基準にするかというときに、化学はIUPACという組織が定めているものを基準にする場合が多いです。
IUPACとは?
そもそもIUPACとはなんでしょうか?IUPACは International Union of Pure and Applied Chemistryの略です。これを日本語に訳すと、国際純正・応用化学連合となります。
例えば有機化合物の命名法もこのIUPACが定めているIUPAC命名法が有名であり、国際的な標準法として知られています。
そして、このIUPACが化学に関する規定などを掲載したルールブックを発行しており、それぞれゴールドブックやブルーブックなどの色で呼ばれています。これらをまとめてカラーブックということもあるそうです。
GOLDBOOKとは?
ゴールドブック(GOLDBOOK)はIUPAC Compendium of Chemical Terminologyが正式な名称です。日本語に訳すと化学用語の便覧、つまり化学用語集です。ゴールドブックはあくまで俗称なのですが、webサイトにもはっきりGOLDBOOKと書いてありますし、GOLDBOOKという呼び名の方がよく知られていると思います。
下のリンクからIUPACのGOLDBOOKのweb版が閲覧できます。
GOLDBOOKのPDF版もダウンロードすることができます。
化学の用語で困ったときはこのGOLDBOOKにどのように書いてあるかを調べてみるのが、確実な方法の一つであることは間違いありません。
ただ、これは初学者よりも大学などで多少は化学を学んだことがある人向けかなと思います。専門用語を全く知らない人は専門用語を調べるととその解説で別の専門用語に出会うなんてことになるかなと思うからです。また、すべて英語なので、高校化学までを日本語で学んだくらいだと、英語の専門用語というところで躓きもあるかなと思います。
ただGOLDBOOKは化学を専門にしていく人は、絶対に知っておいた方がいいもののうちの一つだと思います。意識しなくても、おそらく研究活動などの過程で知ることにはなると思います。
筆者も理解が曖昧なままの用語があったときは、GOLDBOOKで調べていこうと思います。