2019年のノーベル化学賞はリチウムイオン電池の開発に寄与した3人に贈られました。
授賞したのはジョン・B・グッドイナフ教授、M・スタンリー・ウィッティンガム教授、吉野彰氏の3名です。
さて、最近は、YouTubeに様々な動画を投稿する方が増えていますが、2019年のノーベル化学賞発表後に、その功績やリチウムイオン電池について解説する動画を投稿している方が何名もいらっしゃいます。正直、素晴らしい時代になったなと驚いています。
色々な動画を見ましたが、同じノーベル化学賞のリチウムイオン電池に関する動画でもそれぞれ切り口が違っておもしろかったので、わたしはこの場でノーベル化学賞やリチウムイオン電池について紹介している動画を紹介しようと思います。
元素学たん
一番長い解説動画ですが、おもしろい展開で、あっという間に見終えてしまいました。難しい用語もあまり使わないように配慮がされているのではないかと思います。高校生でも、なんとなくは内容が理解できるんじゃないかと思いました。個人的には、ノーベル化学賞の解説で一番わかりやすい動画だと評価しています。
ダニエル電池といった電池の基本的な解説から、ノーベル化学賞受賞者のリチウムイオン電池の開発への寄与まで丁寧に解説が行われています。
また元素学たんらしく、なぜ”リチウム”が使われているのかという内容について詳しく紹介しています。
私は”わたしのかんがえたさいきょうのでんち”の部分がおもしろくて好きです。
Chemistry Wednesday
この動画は大学のゼミや研究室での雑談を聞いているような感じの動画です。内容のレベルとしても大学生レベルなのではないかと思いました。
彼の動画は吉野氏のポリアセチレンの話が詳しく解説されている点が一つの特徴です。
スタンリー・ウィッティンガム氏がインターカレーションを利用したリチウムイオン電池の基礎の開発、ジョン・B・グッドイナフ氏が正極活物質の開発、吉野彰氏が負極活物質の開発というまとめは非常にわかりやすく、私もなるほどなってなりました。
私も紹介されている文献をきちんと読んでみようと思います。
高杉晋作
リチウムイオン電池の研究の推移が詳しく解説されている動画です。きちんと理解するためには、登場する用語の知識が必要だと感じましたが、高校生でも理解できる部分が多いのではないかと感じました。
石油や排ガスといった問題など、当時の世界情勢も踏まえたリチウムイオン電池の研究の推移やリチウムイオン電池の研究内容が紹介されています。リチウムイオン電池が研究されていたときの研究背景については一番わかりやすい動画なのではないかと思いました。
また、現在のリチウムイオン電池に関する資源問題なども解説が行われています。
固体量子-こたいりょうこ-
この動画を投稿している固体量子さんは物理系のVTuberということで、ノーベル物理学賞の解説動画も投稿されています。
リチウムイオン電池に関する研究内容についてはシンプルな紹介となっています。しかし、物理系の方ということで、超伝導の話や金森-Goodenough則など物理的な観点の紹介が多くあります
私も化学系の人間ですので、物理との関わりについては非常に勉強になりました。
カンダマサヨシch
タイトルにもあるように、ノーベル化学賞を授賞した3名の研究の内容というよりは、リチウムイオン電池の何が凄いかという点について解説している動画です。内容はわかりやすく解説されており、高校生ならば充分に理解できる内容ではないかと思いました。
また、この動画では継ぎ足し充電やメモリ効果のことについても詳しく解説されていました。この継ぎ足し充電やメモリ効果は、リチウムイオン電池の開発史とはあまり関係がないためか、他の動画ではあまり触れられていない部分です。
白衣貴一 KiiCHi
リチウムイオン電池について簡潔に解説している動画です。
リチウムイオン電池の要点については押さえてあると感じたので、短い時間で動画を見たい人にはおすすめの動画になると思います。また、この動画を見てみて、もっと詳しく解説を聞きたい方は他の方が投稿している動画を見てみてもいいのではないでしょうか。
みーのゆっくり先生ちゃんねる
そもそも電池とはなにかというところから解説がはじまり、なぜリチウムが注目されたのか、そして、リチウムイオン電池の開発の歴史の中でも、特に水島氏や吉野氏の研究の功績について解説が行われている動画です。
後記
私事ですが、今回のノーベル化学賞やリチウムイオン電池の解説動画がYouTubeで化学系の動画を投稿している方を知る良い機会となりました。わたしはブログと動画とは情報発信の方法は違いますが、化学系の情報を動画にて投稿する方を応援していきたいと思っております。(勝手に紹介しているため、実は怒られないかビクビクしています)
また、見出しはYoutubeのチャンネル名を掲載させていただきました。(敬称略)