化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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教科書、専門書の選び方、読み方についてのまとめ

最近は、専門的なことも、インターネットで検索すれば情報が得られることが多くなりました。しかし、教科書や専門書が重要であることも事実です。

教科書や専門書も、多くのものが販売されています。そして、厳しい事実なのは、一冊の値段が高く、5000円を超えているものもざらにあります。

そこで、そんな教科書や専門書の選び方、読み方について、私の経験や周りの人の話をもとにまとめました。

教科書や専門書の選び方

最初は浅い内容のものを選ぶ

一冊が数百ページもある専門書もあります。もちろんページ数が多いほうが詳しく書いてあると思います。しかし、まずは薄くまとまっているもので勉強をすると、外観をとらえることができます。

例えばLi元素のことを深く専門的に勉強する前に、周期表で他の元素と比べて、Liを含むアルカリ金属はこういった特徴があるということを知っておくと理解が捗るということです。

よって、まずはページ数はあまり多くなくても、その分野について一通り説明されているものを読んで理解し、その次により詳しい書籍を読むと結果的に早く理解できる場合が多いです。

目次や索引のあるものを選ぶ

目次や索引があると知りたい情報が載っているページをすぐに探すことができるからです。ただし、電子書籍であれば、すべての文章の中から語句を検索できる場合もあるので、そういう場合は必ずしも索引が必要というわけではないでしょう。

版を重ねているものを選ぶ

教科書や専門書には第3版とか第8版とか版を重ねているものがあります。版を重ねているものは、誤った記述の訂正が行われていたり、わかりやすいように文章や章の順番が工夫されていたりしています。特に初めて学ぶ場合は、間違いが少ないものを選ぶと誤解して理解が捗らないという事態を防ぐことができます。

教科書や専門書の読み方

必要な内容から読む

学生であれば、講義や試験に関わる内容や、自分の研究に関わる内容から読んでいこうということです。現地調達といっている人もいますが、まずは自分が興味のある部分や必要な部分から読んでいく方が有用であり、読み続ける動機にも繋がります。その次に、書籍の最初からもしくは、その興味のある部分に関連する内容を読んで理解を深めていくと良いと思います。

理解できなかった用語はすぐに調べる

教科書や専門書を読んでいくと、必ず専門用語に出会います。多くの場合、専門用語が出てくると、その意味も書いてあります。しかし、その分野に詳しい人にはわかる説明でも、初めて学ぶ人が理解するには難しい説明が書いてあることもよくあります。

英語や漢字から意味を類推すると、全然間違った解釈をしてしまうという場合もあります。この勘違いを放置したまま勉強すると、混乱の原因となりますし、理解し直す際に時間もかかってしまいます。わからなかった時はすぐに調べた方が良いでしょう。

どうしても分からないときは、先に進んでから戻ってくる

しっかり読んでも腑に落ちない、よく分からないということもよくあります。こういった時は、そこで足踏みするよりは、先を読み進めてから戻ってくると、知識が増えているために理解ができるということもあります。

また、最初に理解することが難しい概念が書いてあって、その後に具体例が書いてあるという構成になっているものもあります。そういった時は、初めて学ぶ時は具体例を読んだ後で、概念に戻った方が理解が進むこともよくあります。

何周も読んでみる

教科書や専門書を最初から最後まで一通り読んでも、覚えてない部分があることはよくあります。そこで、別の教科書や専門書を読み始める前に、同じ本をもう一回読んでみると、一度読んだことがあるため、読む時間も短く済み、理解が深まることがよくあります。