元素の対角関係とは
典型元素には対角関係(diagonal relationship)がある元素がある。
元素の対角関係とは、元素周期表において、一つ右下にある元素と類似性をもつというものである。
リチウムとマグネシウムの対角関係
リチウム(Li)は元素周期表において、同族で一つ下のナトリウム(Na)やさらにその下のカリウム(K)よりも、右下のマグネシウム(Mg)と類似性をもっている。
Mg2+はLi+よりも大きな電荷をもつ。しかし、Mg2+はLi+よりもサイズも大きいため、電荷密度は同程度となる。結果として、分極能も同程度となる。これが、リチウムとマグネシウムが対角関係である理由の一つである。
リチウムとマグネシウムの性質が似ている例をいくつか挙げていく。
リチウムとマグネシウムは空気中で燃焼すると、普通の酸化物Li2OとMgOを生成する。一方で例えば、ナトリウム(Na)は、過酸化物Na2O2を生成する。
またリチウムとマグネシウムは窒化物と炭化物を直接生成する。
オキソ酸陰イオンの塩の安定性も類似している。例えば、Li2CO3とMgCO3は加熱すると Li2OとMgOが生成する。一方で、例えばNa2CO3は多少の加熱では分解せず安定である。
Li+とMg2+はNa+やCa2+と比較して、アンモニアやその他の供与性の配位子と錯体を生成する傾向が強い。
リチウムとマグネシウムは共有結合性の有機金属錯体を生成する。
ベリリウムとアルミニウムの対角関係
ベリリウム(Be)とアルミニウム(Al)の間にも対角関係があり、類似性をもっている。
Al3+の方がBe2+よりも大きいな電荷をもつ。しかし、Al3+の方がBe2+よりもサイズが大きいため、Al3+とBe2+は同じ程度の電荷密度をもち、分極能も同程度となる。そのため類似した性質を示す。
ベリリウムとアルミニウムの性質が似ている例をいくつか挙げていく。
ベリリウムとアルミニウムは共に共有結合性の化合物を生成する。これはファヤンス則から考えることができる。
また、ベリリウムとアルミニウムは強く溶媒和したイオンになる。ベリリウムとアルミニウムの水和イオンは容易に加水分解して酸性を示す。また強塩基性条件下では、[Be(OH)4]2-と[Al(OH)4]-を生成する。
ベリリウムとアルミニウムの酸化物BeOとAl2O3はともに両性酸化物である。またベリリウムとアルミニウムはHClのような酸化力のない酸や塩基に溶けて、水素を発生する。
ベリリウムとアルミニウムは共有結合性でポリマー状の水素化物や塩基物、アルキル化物を生成する。