良くない職場の条件として、3Kなるものが挙げられてきました。
キツい・汚い・危険
最近では、ブラック企業なんて言葉の登場とともに新3Kなるものも言われるようになりました。これはいろいろ挙げられていますが、私がよく耳にするのは、次の3項目です。
厳しい・帰れない・給料が安い
さて、大学の化学関連の研究室と化学系の企業の研究所でのインターンシップの経験から、3K、新3Kと化学について考えてみます。
キツい
これは、職場によりけりだと思います。肉体的にキツいかと言われれば、ずっと実験で体力的にキツいとか、デスクワークが合わなくてキツいとかあるかもしれませんが、化学だから特別ということは無いように思います。
汚い
掃除をしっかりしていても、実験を行う化学系の研究室ではこぼれた試薬や蒸発した試薬が再度凝固して汚くなっているというのはよくあることだと思います。実際、化学系で隅から隅まで綺麗な研究室って、見たことないかもしれません。試薬を扱う以上、汚いのは必然ですらあるのではないでしょうか。
危険
危険も化学系の実験ではつきまとう問題ですね。例えば、皮膚に触れると危ない強酸や強塩基の試薬を扱うなんてこともしばしばあるでしょう。他にも引火性のものを扱ったり、 空気中では自然発火するものなんてものもあります。さらに、操作中に高温、高圧条件だったり、液体窒素のような低温を扱ったり、ガスボンベを扱ったり、危険は周りにとても多い環境だと思います。ただし、特に日本の企業では安全への意識が非常に高いので、危険な環境と一概に言い切ることはできないかもしれません。
厳しい
厳しいかどうかは上司や周りの人間次第ではないでしょうか。他にも、納期を守るために仕事が厳しいなどはあるかもしれません。ただ、これは化学系だから特別どうこうということは無いと思います。
帰れない
実験の時間の都合で帰れないということはあるかもしれません。大学には、"化合物の(時間的な)都合にあわせて生活せよ"という先生もいるらしいです。(もちろん、全員がこういうことを言うというわけではないですよ。)大学では研究室にいて、研究活動をする時間であるコアタイムが9時から21時だという研究室もあるそうです。特に合成の実験では、途中で反応を止めたら、合成が成功しないので帰れないということもあるでしょうし、帰れない環境になりやすいというのはあると思います。ただし化学合成も工場レベルだと、3交代制になっていて、定時に帰れるというところは多いと思います。他にも化学系に限った話では無いですが、資料作成や書類作成、論文や特許などで時間がかかり、どうしても帰れないということはあると思います。
給料が安い
日本の化学系企業では周りと比べて極端に給料が安いということはないと思います。ただ、世界と比べると比較する国によっては相対的に低いということはあると思います。一方で大学では、給料が安いという環境が多いのではないでしょうか。実際は、残業をしているのに、残業代等は支払われないという環境もあるそうです。
3K、新3Kについて考えてみましたが、そもそも大学と企業で大きく異なりますよね。他にも化学実験が多いと臭いなんてこともありますし、必ずしも良い環境とはいえないような気がしてしまいますね。