化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

理系の筆者が化学系の用語や論文、動画、ノウハウなどを紹介する化学ブログ

モール法(Mohr法):塩化物イオンの定量法について

塩化物イオン測定法 例えば、水道水は塩素殺菌されている場合が多い。こういった水道水は多くの塩化物イオンを含むことがある。 このような溶液に含まれる塩化物イオンを測定する方法として、塩化物イオンが銀イオンと難溶性の沈殿を生成することを利用する…

タンパク質のN末端アミノ酸決定法 (サンガー法・ダンシル法・エドマン法)

タンパク質のN末端アミノ酸決定法 タンパク質のN末端アミノ酸を決定する方法として、サンガー (Sanger) 法、ダンシル (Dansyl) 法、エドマン (Edman) 法がある。 歴史的には、サンガー法、ダンシル法、エドマン法の順に改良されてきた。 サンガー法 (Sanger…

変旋光とD-グルコースの旋光度変化について

変旋光とは 旋光性物質の溶液の旋光度が時間とともに変化する現象を変旋光という。 糖類やオキシ酸などの溶液は、放置したり、煮沸や酸、塩基を加えると、時間とともに旋光度が変化し、その後平衡に達する。 変旋光の原因は異性化であり、旋光度が時間ととも…

生元素(主要生元素・準主要生元素・微量生元素)の解説

生元素とは 生元素、生体元素とは、生物の生命維持に必須な元素のことである。また、地球表面で生物圏に集まったと考えられる元素は親生元素ということもある。 生元素はさらに、主要生元素、準主要生元素、微量生元素の3種類に分類される。 また主要生元素…

フロイントリッヒ (Freundlich) の吸着等温式の解説

Freundlich式について Freundlich式 (Freundlichの吸着等温式、フロイントリッヒの吸着等温式) は吸着平衡を表す経験式の一つである。 吸着剤重量あたりの平衡吸着量を、吸着物質の流体相における濃度もしくは分圧をとすると、温度一定の条件で、次の関係で…

ガスクロマトグラフィー (GC)とカラム・検出器 (TCD・FID・FPD・ECD) について

ガスクロマトグラフィーとは 移動相に気体 (キャリアーガス) を用いるカラムクロマトグラフィーをガスクロマトグラフィー (GC) という。 ガスクロマトグラフィーは、一定流量のキャリアーガス流中に試料を注入し、注入された試料成分は気化してカラムに運ば…

TLC等のRf値・移動率・移動比・移動度の解説

Rf値・移動率・移動比・移動度とは Rf値とは、薄層クロマトグラフィー (TLC) やペーパークロマトグラフィーなどの平面クロマトグラフィーで、試料が展開液によって固定相内で移動する割合のことです。 Rf値は移動率や移動比、移動度ともいいます。この、Rf値…

電気泳動の原理と分類(ゾーン電気泳動・キャピラリー電気泳動など)

電気泳動と原理 水溶液に電流を流すときに荷電粒子やイオンが電場の勾配に従って動く現象のことを電気泳動という。 電気泳動では、荷電が大きいと、粒子に働く力も大きくなるため、その移動速度は大きくなる。一方で、荷電粒子やイオンの大きさ(分子量)が大…

氷水は単体?混合物?純物質?化合物?のどれ?

氷水を考えよう 固体の氷と液体の水が混ざっている氷水を考えます。水が0 ℃のときにはこういう状態になることがありますね。 この氷水は、単体、混合物、純物質、化合物のどれに当てはまるでしょうか? さて、まずは単体、混合物、純物質、化合物の定義を確…

ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)の方法・仕組み

SDS-PAGEとは ゲル電気泳動法のなかでも、タンパク質やペプチドの分析、分取に利用される方法がドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動 (SDS-PAGE) である。 ドデシル硫酸ナトリウム (SDS) が用いられる理由 タンパク質やペプチドの荷電の状…