化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

理系の筆者が化学系の用語や論文、動画、ノウハウなどを紹介する化学ブログ

酵素の基質と反応特異性・基質特異性・最適pH・最適温度の解説

基質と活性中心 酵素の反応特異性と基質特異性、光学特異性 酵素の鍵と鍵穴説 酵素の最適pH 酵素の最適温度 基質と活性中心 酵素作用によって変化を受ける物質を基質(substrate)という。 酵素は触媒の一つなので、基質と比較して微量でその機能を発揮する。…

合金と置換型固溶体・侵入型固溶体・金属間化合物について

合金について 合金(alloy)とは、異なる金属元素が混じり合った物質である。溶けた金属を混ぜ合わせてから冷却してできる固体であり、金属の性質を示す。一般的に合金は電気陰性度が同程度である電気的に陽性の2種類の金属から生成することが多い。 合金は一…

ロンドン方程式の古典電磁気学からの導出

ロンドン方程式の古典電磁気学からの導出 ロンドン方程式を古典電磁気学から導出する。 電気抵抗をもつ普通の導体では、電場を印加した場合の電流密度は電気抵抗をとすると次のようになる。 超伝導体の場合、電気抵抗は0であるため、電気素量を、電子の質量…

超伝導体のマイスナー効果とゼロ磁場冷却・磁場中冷却

マイスナー効果について 1933年にマイスナー(Meissner)とオクセンフェルト(Ochsenfeld)は転移温度以下の磁場中ある超伝導体周辺の磁束分布を測定し、超伝導体内の磁束密度が常に0であることを発見した。超伝導体では、外部磁場が存在している環境でも、磁束…

超伝導体の性質と臨界磁場・Josephson効果・相転移について

超伝導体と臨界磁場について 超伝導状態が実現するためには、温度が転移温度以下である必要があるが、外部磁場にも条件がある。 超伝導体に外部磁場をかける場合を考える。 超伝導体にかける外部磁場を強くしていくと、ある臨界値以上では超伝導状態が破壊さ…

フェルミディラック分布関数(Fermi-Dirac分布関数)の導出

フェルミディラック分布関数の導出 フェルミディラック分布関数 (Fermi-Dirac分布関数) を導出する。 とり得るエネルギーはであるとする。 各エネルギー準位に個の縮退した状態があり、そこに個の粒子が配置されるとする。ただし、とする。 そこでエネルギー…

Langmuirの吸着等温式の導出

Langmuirの吸着等温式の導出 Langmuirの吸着等温式(Langmuir式、ラングミュアの吸着等温式)は吸着等温式の中でも古いものの一つである。 このLangmuir式の導出は、次の仮定からはじまる。 固体面に吸着席があり、そこには一つの分子(原子)のみが吸着する。ま…

自然素材系塗料と樹脂系塗料について

塗料について 塗料は素地となる材料の表面に塗ると、乾燥し表面に固着して皮膜を作る。 そのため塗料は材料の保護や着色、光沢などの美観、防火などの機能の付与などの目的で使用される。 塗料は原料によって、自然素材系塗料と樹脂系塗料に大きく分類するこ…

吸着等温線と各タイプの特徴について

吸着等温線・吸脱着等温線について 単位量の吸着媒あたりの吸着量()を温度()一定の条件下で圧力()の関数として測定し、吸着量()と相対圧()の関係を表した曲線を吸着等温線とよぶ。ここで、は気体の温度での飽和蒸気圧である。 IUPACでは下に示すI~VIまでの6…

核反応の機構、複合核モデル、直接過程について

核反応の機構を説明するモデル 核反応の機構を説明するモデルとして、複合核モデルや直接過程とよばれるモデルがある。これらは核反応の種類を限定すると、核反応の機構をよく説明できるモデルである。 複合核モデルについて 複合核モデル(compound nucleus …