卒業論文や修士論文、進捗報告、中間発表、学会発表など、様々な場面で実験の方法を図で示す機会は多いと思います。標準的なフラスコなどの実験用のガラス器具であれば、フリー素材やChemdrawなどに素材がありますが、少し複雑な器具や自作の器具だと素材を作らないといけない機会があると思います。
今回はpowerpoint(パワーポイント)を用いて、簡単な丸底フラスコの図の書き方を紹介します。基本図形と図の接合だけで簡単にできますが、この方法は複雑な実験器具でも応用できますので、参考にしてください。
今回はPowerpoint2016を使用していますが、他のバージョンでも同じことが可能です。
1. 素材を用意する
まずはpowerpointを起動して、挿入の図形から、楕円を選択します。
挿入した楕円を選択すると、描画ツールから右上のサイズを選ぶことで、楕円の大きさを指定できます。縦と横のサイズを統一することで、真円になります。
同じことは図を選択して、右クリックから配置とサイズを選択すると、サイズの変更ができます。
同様にして、挿入の図形から、長方形と角丸四角形を挿入します。今回は丸底フラスコをイメージして、長方形でフラスコの胴部分を、角丸四角形でフラスコの口の部分を作ります。それぞれの図形の大きさは後から変えられないので(例えば、後から丸底フラスコの丸だけを大きくするということはできない)ので、この時点で、各図形の大きさをしっかり決めておきます。
上のまま使用してもいいのですが、少々わかりにくいので、図を選択して、描画ツールの書式の図形の塗りつぶしで、塗りつぶしなしを選択して、枠線だけがみえるようにしました。
線の太さも、図形の枠線の太さから2.25 ptにしました。ここは、好みで選んでかまいません。また、後から変更も可能です。
2. 図を接合する
すべての図を選択して、書式の図形の接合を選択します。これを選ぶことで、楕円、長方形、角丸四角形が結合され、一周の線のみで表されます。
これで丸底フラスコの完成です。この図のまま拡大、縮小も可能です。
図形の挿入で図の弦を加えてみました。これだけで、丸底フラスコに溶液が入っているという図を作成できます。
このように基本図形と図形の接合を上手に使うと、複雑なガラス管なども簡単に表すことができます。
有機合成などの場合は、ガラス器具を支えるクランプや備え付けの器具などで、実験の器具の配置の写真を使うと、うまく伝わらないことがあります。そういったときは、こういった図形を描いて使用してみてください。