- Google Scholar(グーグルスカラー)とは?
- Google Scholar(グーグルスカラー)の使い方
- 検索結果画面の解説
- Google Scholarの検索のコツ
- 論文のダウンロード
- メールアラート
- マイライブラリ機能
- プロフィール機能
- 図書館リンク
- google Scholar以外の文献データベース・論文検索方法
- 参考(執筆時の日付)
Google Scholar(グーグルスカラー)とは?
Google Scholarとは、インターネット上で参照することができる学術論文や学術誌、専門書、要約のような出版物やweb上の学術資料を検索できる検索エンジンです。google社が提供している検索エンジンで、誰でも無料で使うことができます。通常のgoogle検索との違いは論文雑誌の出版社や大学、学術webサイトのリポジトリ(データベース)から検索を行う点です。
当然ですが、日本語の論文以外にも、英語の論文やその他の海外の論文にアクセスすることができます。無料で公開されている論文は、そのままpdfファイルなどをダウンロードできる場合が多いです。
またgoogle検索と同様に論文が掲載されている雑誌のサイトにアクセスすることができ、そのサイトで無料で論文をダウンロード場合や、所属している大学などの契約によって、有料の論文をダウンロードできる場合があります。
Google Scholarを使用するメリット
Google Scholarで検索しなくても、通常のgoogle検索などでも論文を探すことはできます。しかしGoogle Scholarの場合には、
- 学術論文など学術的な結果に絞って検索できる
- 論文の書誌データをエクスポートすることでEndnoteといった文献管理ソフトウェアに簡単に入力することができる
- 全文が読めるリンクが表示されている
といったメリットがあります。
注意点
検索結果には信頼できる学術情報ソースが表示される傾向はありますが、scopusやweb of scienceといったソースが厳選されている学術データベースと比較すると信頼性が劣る場合があります。情報源の雑誌などが"ハゲタカジャーナル"といわれるような、信頼できない雑誌でないかは注意が必要です。
Google Scholar(グーグルスカラー)の使い方
まず普段使っているwebブラウザ(Google Chromeなど)でGoogle Scholarにアクセスします。(https://scholar.google.co.jp/)
通常のgoogle検索と同様に検索したいキーワードや著者名などを入力して虫眼鏡の検索ボタンをクリックします。
検索結果画面の解説
検索すると、検索キーワードで関連する論文などが表示されます。各項目の1行目にドキュメントのタイトル、2行目に著者、出版物名、出版年、出版社などが表示されます。その下には論文の一部分が表示されます。
先頭に[引用]と表示されている場合、他の学術記事が引用もしくは言及している記事であることを示しています。これは関連情報として表示されています。
タイトルのリンクをクリックすることで論文等を発行しているwebサイトにアクセスできます。
関連性で並べている場合には、上位の検索結果が被引用数が多く評価の高い論文が表示される傾向にあります。
Google Scholarの検索のコツ
まず、基本的に検索では大文字と小文字は区別されません。
1.AND検索(複数のキーワード検索)
これは普段のweb検索行う際に、よく使うものです。
「00 XX」といった00とXXの2つのキーワードに関連している文献を検索できます。
2. フレーズ検索
これはキーワードをバラバラではなく、ひとまとまりとして検索したいときに用いる方法です。
「"CO2 reduction"」のようにキーワードを引用符(")でくくり"00 XX "のように入力します。"は半角で入力します。論文のタイトルがわかっている場合には、タイトルと検索キーワードが完全に一致する論文をこのフレーズ検索で検索することができます。
3. OR検索
これはどちらか片方のキーワードが含まれている文献を検索します。
「00 OR XX」と入力して検索できます。ORの前後にスペースを入れて検索します。
4. 除外検索(NOT検索)
これは、あるキーワードが含まれる文献を除外したいときに用いる方法です。
「00 -XX」と入力すると00を含む文献の中でXXを含む文献は除外されて検索結果に表示されます。マイナス記号の後ろにはスペースを入れないようにします。
詳細検索(検索オプション)
Google Scholarの左上にある≡をクリックするとメニューが表示されます。
そこから検索オプションに進むと、どんなキーワードを含む、もしくは含まないや、著者名、日付などの項目を入力して詳細に検索できます。
注意点
分野ごとの文献データベースでは、論文の内容にあったキーワードがつけられているため、検索結果に検索キーワードと同じ意味の同義語も検索結果に表示される場合が多いです。一方でGoogle Scholarの場合は同義語もOR検索で検索する必要があります。
検索結果の絞り込み
検索結果の左側もしくは右上に検索結果の絞り込みをするためのオプションがあります。出版された年数や、表示の順番を関連性で並べるか日付順に並べるかのソート機能、すべての言語の文献に変更するか、総説論文のみを閲覧するか、特許や引用部分を含めるかを自由に決められます。
論文の下のマークの意味
論文の下に「☆保存」、「❞引用」、「引用元」、「関連記事」「バージョン」「Web of Science」が表示されます。このマークについてそれぞれ解説します。
☆保存
「☆保存」は保存のマークです。SNSでいうとお気に入りに登録するといった感覚です。Googleアカウントでログインしている場合、気に入った論文をマイライブラリに保存することができます。
保存した論文は右上の「マイライブラリ」から探すことができます。そのため、何回も検索する手間を省くことができます。
❞引用
「❞引用」は引用のマークですこのマークをクリックすると引用情報が出てきます。
論文を引用したい場合には、表示された書式をコピーペーストすることで、文献情報をコピペできます。
MLAやAPAなどの引用の仕方に合わせたフォーマットが用意されています。
書誌データ(BibTeX、RIS)をエクスポートすることで、文献管理ソフトにインポートさせることが可能です。
引用元
「引用元」をクリックすると、その論文の引用元の文献が一覧で表示されます。この中から自分の探しているテーマの文献を簡単に探すことができます。これを使うことで、この論文を引用している最近の研究を追跡できます。さらに、他の研究者によって引用されていることで、絶対的にではないですが、論文の信頼性の目安とすることもできます。
例えば出版年が新しい最新の研究は引用数が少なくなるため、引用数が少ないから信頼性が無いと判断することはできません。
関連記事
「関連記事」をクリックすると、その論文と関連度が高いと思われる文献が表示されます。
全○バージョン
「全○バージョン」をクリックすると論文のバージョンが複数ある場合、それらを閲覧することができます。また、その論文を扱っている他のサイトを探したいときにも使えます。
他にも例えば、草稿版やプレプリント版などのバージョンがある場合もあります。
Web of Science
「Web of Science」は大学が契約しているWeb of Scienceへのリンクです。数字は被引用数を示しています。
論文のダウンロード
オープンアクセスなどにより、ダウンロードできる論文は横に[PDF]と表示されています。全文がwebで読める場合にはFull Viewと表示されます。[PDF]をクリックすると論文のpdfファイルが保存や印刷できます。ただし、PDFが最終的にジャーナルに掲載されたバージョンでは無い可能性が、まれにあるため注意が必要です。
[PDF]マークがない論文でも、無料で閲覧できる場合や、大学等のライセンスによって閲覧できる場合があります。
[PDF]マークがない論文では検索結果のリンク先を一度は確認してみましょう。
メールアラート
アラート機能を利用すると、特定のキーワードに関する新着論文の通知を受け取ることができます。アラートは検索結果の画面の左上やメニューの中にあります。アラートするキーワードがおおまかで該当する論文が多いと、多くの論文が通知されるため、自分に関連する狭い領域の特定のキーワードを登録するほうがいいです。
まず自分のアラートを受け取りたいキーワードとメールアドレスを登録します。すると、新着の論文が追加されると、メールアドレスにメールが届きます。細かい手順は次の通りです。
1} アラートを受け取りたいキーワードや検索条件で検索
2} 検索結果画面の「アラートを作成」をクリック
3) アラートを受け取りたいメールアドレスを入力
4) アラートを作成をクリック
「この論文が引用されたらアラートを受け取りたい」という場合には、引用元をクリックした画面で「アラートを作成」をクリックし、上記と同じ手順でアラートを作成します。
マイライブラリ機能
この機能は論文をタグ(ラベル)を付けて、整理することができる機能です。Googleアカウントが必要になります。
手順は次の通りです。
1)論文を検索
2)下の☆保存をクリック
3}ラベルを付ける場合はラベルを選択もしくはラベル名を入力
4)マイライブラリをクリックすると保存した論文が表示されます
プロフィール機能
自分の業績管理を行うことができる機能です。ただ使用する人はそれほど多くないかもしれない機能でもあります。プロフィール画面には、これまでに発表した論文などの一覧や被引用回数などが表示されます。またgoogle scholarで著者名で検索した場合に、著者がプロフィール登録していると、その人のプロフィールへのリンクが検索結果に表示されます。
図書館リンク
Google Scholarの設定に図書館リンクという項目があります。大学などに所属している場合、ここから自分の大学を検索し、表示に従うと、検索結果に図書館リンクが表示されるようになります。例えば、無料では公開されていない論文だが、その学術誌を大学が閲覧できるように契約している場合、この図書館リンクから論文全文にアクセスできるようになります。
大学生などは自分の大学を登録しておくことをおすすめします。
google Scholar以外の文献データベース・論文検索方法
Web of Science(全分野)
厳選された世界の主要な学術雑誌に掲載されている論文にアクセスできます。論文の被引用関係の情報などが充実しています。
Pub Med(医学系分野)
世界最大の医学系の文献データベースMEDLINEの無料公開版です。
CiNii Articles(全分野)
CiNii Articlesは国立情報学研究所が運営しているサイトです。特に日本国内で発行された学術論文などがメインとなっています。google Scholarと同様に公開されている論文には無料でアクセスできます。
j-stage(全分野)
j-stageは科学技術振興機構が運営しているサイトです。
多くの論文が無料で閲覧することができます。
参考(執筆時の日付)
この記事の内容は2021年11月19日時点での内容になります。