化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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初歩的な単位と足し算、引き算、かけ算やわり算の話

化学もしくは科学では量を扱うことが、しばしばあります。この量を扱うさいには、その量の単位が重要です。

例えば、Aという物質が

・質量:6 g

・体積:2 L

であったとします。このときの質量の"g"(グラム)や"L"(リットル)が単位です。

化学の数値を扱う上で、この単位に注目しておくことは極めて重要です。

例えば、数学的には 6 + 2 = 8 という計算はできますが、先ほどのAという物質の6 g と 2 Lを足した8という数字には特別な意味はありません。

このように単位を見ることで数値の足し算や引き算が意味のあるものか判別できるようになります。

例えば新たにBという物質

・質量:3 g

・体積:1 L

 があったとします。

このときこれまでの数値を使い、 6 + 3 = 9という計算には意味がうまれます。この場合Aという物質とBという物質を混ぜれば質量は9 gになるということです。

ただし、単位が同じならば、足し算や引き算が必ず意味があるものというわけではありません。

例えばAという物質が15 °C、Bという物質が25 °Cであったとき、15 + 25 = 40という計算で得られる値には意味がありません。15 °Cと25 °Cの物質を組み合わせても40°Cにはならないからです。これは温度には加成性が成り立たないからという言い方もできます。

かけ算やわり算も同様に単位に注意する必要があります。

例えば上に出てきた数値を使い6 (g) × 3 (g) = 18という計算をしても意味は得られません。

しかしながら、6 (g) ÷ 2 (L) = 3 (g/L)という計算の3にはこの物質の密度が3 g/Lであるという意味が生まれます。

このように2つの数値になんらかの関係がある場合にはかけ算やわり算も意味をもつようになります。

これらのように化学として考えていく中で、数値とその単位はその数値をどのように扱うことができるかを示すものであるため、非常に重要です。