初めての学会発表は、まずはポスター発表と促される学生も多いのではないでしょうか?
一般的に、プレゼンテーションソフトを用いる口頭発表と比べると、ポスター発表の方が、発表件数も多く、敷居が低い傾向があります。この記事では、ポスター製作するときに気を付けたい8つのポイントを紹介します。
1. 盛りすぎない
研究をするといろいろな実験を行い、その解析データなども膨大になるでしょう。グラフを少し小さくし、文字も小さくすれば、一枚のポスターにかなり多くの情報を盛り込むことができます。でも、その情報がいっぱいのポスターは果たして分かりやすいポスターになっているでしょうか?
ポスターを作り始める前には、手元のデータを全て整理して並べてみてもいいかもしれません。
でもポスターには、少ない文章とグラフで説明できるピンポイントに焦点を当て、ポスターを製作したほうが、伝えたい内容が伝わるポスターになります。
2.レイアウトの流れを考える
聴衆の視線が、右へ左へ上へ下へと、あちこちに行くポスターは聴衆にとって見にくく優しくないポスターといえるでしょう。
研究背景、実験、結果と考察の流れが、すらすら読み取れるようなポスターを製作することがいいポスターを作るポイントです。そのためには、わかりやすい配置になるように工夫しましょう。
3.アクセントを使いこなす
ポスターは他の人と同時に比較されるので、目立つほうがいいという点はあります。しかし、全体の色をド派手にすればいいというわけではありません。奇抜なものが必ずしもいい意味では目立つとは限りません。コツはアクセントを意識して、注目してほしい部分を強調させることです。
4.適切なタイトルをつける
プログラムを見た人や、通りがかった人が注目するのはタイトルです。ポスターの研究のキーワードを盛り込んだ適切なタイトルをつけましょう。
また、タイトルは一目で見えるように、大きいサイズのフォントを使ったほうがいいでしょう。50pt以上のほうが遠くからでもはっきり見えます。
5.ビジュアルでアピールする
ポスターでは、文章を大量に載せるよりも、綺麗なビジュアルの図を使用して、ストーリーを伝えるようにしましょう。
視覚的に魅力的な図は、聴衆の注目を集める効果もあります。
6.文章を推敲する
ポスターに一度文章を書いた後は、その文章を読みなおして推敲しましょう。
特に、学会の要旨などから文章をコピーアンドペーストして、ポスターを製作した人は、文章の表現が短い言葉でシンプルに表現できないか、箇条書きに書き換えられないかなど気をつけてみましょう。
長い文章を読ませるポスターは、わかりやすさという点でも、あまりオススメできません。
7. 余白を活かす
ポスターにグラフや文章を盛り込めるだけ盛り込んでギチギチになっているものはあまりオススメできません。なぜなら、見づらくなることが多いからです。
特に結論など重要な部分には、余白を使用することで、強調することができます。
8. 周りの人に見てもらう
ポスターが完成したら、周りの人に見てもらい、意見や感想をもらいましょう。
この時は、研究内容に詳しい人だけでなく、別の研究室の友人など研究内容に詳しくない人にも見てもらうと、より大勢にわかりやすいポスターを作ることができます。
また、オフラインの学会で、ポスターを印刷する場合は、A4やA3などに一度印刷して確認しましょう。色の印刷が思ったように発色しているかなどは、印刷したほうが確実に確かめることができます。
さらにアピールしたい人は……
ポスターを使って、交流に力を入れたい人は、ポスターにメールアドレスも記入したり、名刺を一緒に貼り付けておくということもできます。
あまり多くはないかもしれませんが、ポスターを見て気になった人が連絡をする場合もあるかもしれません。
ポスターは発表が本番
せっかく、魅力的なポスターを作っても、発表本番でなにもしないと貴重な時間を使いチャンスも逃すかもしれません。発表中は、積極的に参加者へ説明し、質疑応答などを通して、意見などをもらうことで、今後の研究をさらによりよいものに発展させることができるかもしれません。