化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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【理系】論文を書く際の各項目を書く順番の話

論文の構成

研究論文は

  1. 諸元(イントロダクション)
  2. 実験方法・条件
  3. 実験結果
  4. 考察
  5. 結論
  6. 参考文献
  7. 謝辞

の順番で記述することが一般的である。ただし、論文を投稿する際には、その雑誌によって、特に実験方法の記述の位置などが決められており、この順番とは異なる順番が指定されていることもある。

実際に論文を書いてみようとしたときに、この順番どおりに1から順番に書く必要はないというテクニックは覚えておくとよい。ここも研究者によって、個性が出る部分でもある。

例えば、研究を行ってその実験内容をまとめて、今から論文を書くという場合を考える。その際の執筆していく順番の一例を以下に示す。

実験方法

まず確実にかつ簡単に書ける項目は実験方法や測定方法の項目である

実際に用いた試薬のメーカーや純度、どのような操作を行ったか、生成物の同定はどのように行ったか、どこのメーカーの装置を使用してどのような物性測定を行ったかなどが書ける。

実験結果

おそらく次に書きやすいのは、実験結果、測定結果である。実験によってどのようなスペクトルやグラフが得られたかを記述する。当然、論文に掲載できるように、軸にラベルを付け、凡例を載せるなど、論文のフォーマットに合わせて図も作成する必要がある。

考察

実験結果の図などが作成できると、その図のどの点からどのようなことが言えるのかを見ていくと考察を書くことができる。また、この研究ではどのような新規性があるかなどを立ち返ることができるようになる。

諸元

ここで、発見した新規性に対して、その分野の学術的背景や研究課題を説明し、この研究を行う意義などを記入し、この研究ではどのようなことを行ったのかを執筆すると、論理的に違和感のない諸元を執筆できる。

論文のタイトル・要旨

論文のタイトルはその研究成果を端的に表すものが好ましく、また多くの論文ではアブストラクトの提出なども求められる。これらのものは、論文の要点を書く必要があるため、論文が一通り書き終わってから、整理したほうが適切なものができやすい。

参考文献

参考文献は適宜書いていく。ただし、今はendnoteやzoteroなどの文献管理ソフトがあるため、これらを用いてwordのアドインなどを設定すると、自動で参考文献目録が作成できるため、活用すると良い。ただし、機械的に参考文献欄を作成するため、投稿する論文で指定されているフォーマット通りになっているか、例えば論文の題名の単語の最初が全て大文字か最初の1単語のみ大文字で以降は小文字かなどの細かい部分はきちんと自分で確認する必要がある。

謝辞

一般的に謝辞と記入してある例としては、共著に入れるほどではないが、実験を手伝っていただいた方へのお礼やどのような研究費を用いて研究を行ったかなどを記入する。

 

このように、論文は最初にイントロダクションが書いてあるから、イントロダクションから書き始めないといけないという決まりはないので、テクニックとして覚えておき、また自分にあった方法を探してみるとよい。