パルス法
パルス法は、試料に気体分子をパルス状 (断続的) に導入し、導入した気体の量と排出された気体の量の差から 、試料の金属量や活性点量を測定する方法である。
パルス法は気体分子の吸着を利用する方法と触媒反応を利用する方法がある。
パルス吸着法は、一酸化炭素 (CO) 、水素 (H2) などの分子が、金属表面に不可逆的に吸着することを利用する。吸着に使用する分子の名前から、COパルス法などのように呼ばれる場合も多い。
気体分子の導入を始めた段階のパルスでは、金属による気体分子の化学吸着によって、気体の排出量は導入量よりも小さくなる。しかし、パルス状の気体分子の導入を繰り返すと、全ての金属表面に気体分子が吸着され、導入量と排出量の差がなくなる。最後に全導入量と全排出量の差分を求め、これを吸着量として、金属の量や金属の表面積、金属の粒子径、金属の分散度などを求める。
特に担体に金属粒子が担持されている試料の、金属粒子のみの表面積などを求める際に利用される。
触媒の反応を利用する方法には、N2Oパルス法として知られている亜酸化窒素 (N2O) と金属銅 (Cu) の反応を利用する方法がある。これは、銅触媒の活性点量の評価などに利用される。
この方法は、銅が存在する試料に、亜酸化窒素をパルス状に導入することで、下に示す反応が進み、活性点が一度しか利用されないことを利用する方法である。
N2O + 2Cu → N2 + Cu2O
この反応の場合、生成した窒素 (N2) をTCD検出器があるガスクロマトグラフィーによって定量することで、活性点量を求めることができる。