モル質量とは
モル質量とは、ある物質1 molがもつ質量となります。そのためモル質量の単位はSI単位系では kg/molとなります。
ある物質の構成元素の同位体組成が天然組成であり、モル質量を単位をg/molで表すと、数値的にはその物質の原子量もしくは分子量と等しくなります。
原子量とは
原子量を正確に理解するには、相対原子質量を知る必要があります。
相対原子質量とは原子質量単位によって表された原子質量の相対値です。
これは、炭素の同位体12Cのモル質量を0.012 kg/molとして、これを基準に定めた各原子のモル質量の相対値となります。原子量は常に精密な測定が行われ、測定技術の進歩などによって、細かい値は改訂が行われています。
そして、自然に存在する同位体について相対原子質量の重み付き平均を求めたものを原子量といいます。
原子量は相対質量であるため、無次元量です。つまり、単位はありません。
分子量とは
炭素の同位体12Cのモル質量を0.012 kg/molとして、これを基準としたときの分子のモル質量の相対値を相対分子質量といいます。これが一般的に分子量といわれるものです。
分子量は相対質量であるため、無次元量です。つまり、単位はありません。
つまり、分子量の基準や考え方は原子量と同じです。
モル質量と原子量・分子量の違い
モル質量は、ある物質1 molがもつ質量であり、単位も存在します。それに対して、原子量や分子量は質量の相対値であり、単位のない無次元量となります。
整理すると、モル質量と原子量、分子量の違う点は
- 質量か質量の相対値か
- 単位がある値か単位の無い値か
の2点といえます。
一般的にはモル質量の単位がg/molであるときは、その値は原子量、分子量と等しい値となるため、比較をするときはモル質量の単位がg/molであることに注意することが重要です。