化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

理系の筆者が化学系の用語や論文、動画、ノウハウなどを紹介する化学ブログ

デュエット則とオクテット則

デュエット則とオクテット則 原子は正電荷をもつ原子核が中心にあり、その周りを負電荷をもつ電子が軌道を形成し取り囲んでいる。 また、原子に含まれる電子の中で最も外側の軌道に入っている電子を価電子、もしくは最外殻電子という。 内側の1s軌道 (K殻) …

仕事関数:電子を固体から外部へ取り出すために必要な最小のエネルギー

仕事関数とは 仕事関数 (work function) とは、1個の電子を金属や半導体のような固体の表面から外部へ取り出すために必要な最小のエネルギーのことである。 この電子を取り除くエネルギーは一般的に金属のような固体の場合に仕事関数といわれ、孤立原子や分…

ランタノイドとランタノイド収縮

ランタノイド (ランタニド) 57番元素のランタン(La)から71番元素のルテチウム(Lu)までの15の元素をランタノイドもしくはランタノイド元素という。また、ランタニドという場合もある。 具体的にはランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジ…

粒子のシュレーディンガーの波動方程式の導出

粒子のシュレーディンガーの波動方程式の導出 物質の波動を記述する波動方程式がシュレーディンガー方程式 (シュレディンガー方程式)である。 量子力学的な粒子の波動方程式としてのシュレーディンガー方程式を導出する。 まず、波動は場所と時間の関数で表…

ド・ブロイの関係式:物質波を表す式

物質波とド・ブロイの関係式 量子力学や量子化学では物質波という”物質は粒子である”とともに”物質は波である”という二重性が重要となる。 この物質の粒子と波の二重性を表す式が、粒子として見たときの運動量ベクトルを、波として見たときの波数ベクトルを…

ミラー指数で表された面の図の書き方

ミラー指数で表された面の図の書き方 ミラー指数が(111)の面 ミラー指数が(121)の面 ミラー指数が(101)の面 ミラー指数で表された面の図の書き方 ミラー指数がの面を図示する場合は、次のとおりである。 まず、結晶中の座標軸を、互いに独立な3つのベクトル…

ハルコン法

ハルコン法 ハルコン法 (Halcon process) は、酸化プロペンおよびスチレンの合成方法である。 ハルコン法にもいくつか種類があるが、代表的なハルコン法は、エチルベンゼンとプロペンからスチレンと酸化プロペンを合成する方式であり、スチレンと酸化プロペ…

電位の貴と卑

電位の貴と卑 電位を比較するときに"貴"と"卑"と表現することがある。 一般的に貴は身分や位などが高いことを表し、卑は身分などが低いことを表す。 化学でもこの"貴"と"卑"が高低を表す際に利用されることがあり、例えば、貴金属と卑金属といった言葉はよく…

パルス法・パルス吸着法

パルス法 パルス法は、試料に気体分子をパルス状 (断続的) に導入し、導入した気体の量と排出された気体の量の差から 、試料の金属量や活性点量を測定する方法である。 パルス法は気体分子の吸着を利用する方法と触媒反応を利用する方法がある。 パルス吸着…

ラマン分光分析法とラマン散乱現象

ラマン分光分析法 ラマン分光分析法は分子振動に由来するラマン散乱スペクトルを測定する分析方法である。 分子振動による散乱スペクトルを測定するため、赤外吸収法と類似した測定方法である。 レーザー光を試料の局所部分に照射し、散乱ラマン線を測定する…