過マンガン酸カリウム水溶液を使った酸化還元滴定について考えよう
硫酸酸性下のFeSO4水溶液25 mLを0.010 mol/LのKMnO4水溶液で滴定した。その結果KMnO4水溶液が20 mL必要だった。このときのFeSO4水溶液の濃度を求めましょう。
解説編
酸性下のKMnO4は酸化力が大きい。そのため、酸化剤はKMnO4、還元剤はFeSO4である酸化還元反応と考えることができる。
また電子を放出するのはFe2+と考えることができる。
そこで半反応式を書くと下のようになる。
酸化剤の半反応式:MnO4- + 5e- + 8H+ → Mn2+ + 4H2O
還元剤の半反応式:Fe2+ → Fe3+ + e-
そこで、電子(e-)が消えた式を得るために、"酸化剤の半反応式 + 還元剤の半反応式 ×5"として、以下の式が得られる。
MnO4- +8H+ + 5Fe2+ → Mn2+ + 5Fe3+ + 4H2O
この式を見ると、KMnO4とFeSO4は1:5のモル比で反応することがわかる。
そこでFeSO4水溶液の濃度を mol/Lとして、左辺に反応したFeSO4のmolを、右辺に反応したKMnO4のmolの式をつくると下のようになる。