NMRスペクトル (NMRチャート)は有機化合物の同定において、非常に有用で強力なツールであることは、化学に携わったことがある人にはよく知られていることです。
一方で、化学やNMRの初心者にとっては、NMRスペクトルはハードルが高いものかもしれません。そこで、大学の講義の期末試験といったテストなどでも、NMRスペクトルを見て、実際の化合物を同定するという問題が出ているケースもあるかもしれません。
また、特に有機系の研究室では、NMRを実際に研究で使うこともあると思いますが、未知の化合物の同定ができるようになるには、まずは既知の化合物のNMRスペクトルの同定ができるようになることが重要と考えている人も多いと思います。
そういった方がNMRスペクトルを使った同定の練習に便利なサイトが今回紹介するNMR Challengeです。SNSやYoutubeなどでも取り上げていた人や話題にしていた人がいたため、知っている方も多いと思います。
海外のサイトですが、非常にシンプルでわかりやすくなっています。
実際に触ってみた例を紹介
上の画像(webサイトの最初のページ)のEasyの部分の数字をクリックすると問題のページに進めます。
この上の画像のような実際のNMRスペクトルが出てきます。
そして、上のような、化学式を書く場所がありますので、そこに化学構造式を記入できます。ChemDrawを使ったことのある人であれば、簡単に使うことができると思いますし、そうでない人も触っているうちに、直感で構造式を書いていくことができると思います。
白い部分をクリックすると、構造式が書けます。上のボタンをクリックすると、酸素やベンゼン環などが書けます。
左のボタンは上から
- 記入
- 選択
- 消しゴム
- 作業を1つ戻る
- 作業を1つ進む
- 切り取り
- コピー
- ペースト(貼り付け)
です。
構造式が書けたら、Submit solutionボタンをクリックして、回答を提出です。
上の場合は、不正解で、元素の数などもあっていないため、Check formulaの文字も出ています。
上の場合は、元素の数はあっているが、化合物の構造は違うため、Wrongと出ています。
正解になると、Correctの文字が表示されます。
1DのNMRスペクトルの問題だけでなく、下のように2DのNMRスペクトルも見ることができて、それを元に回答する問題も用意されています。
NMRを使う機会が多くなる人や、NMRスペクトルを用いた化合物の同定がテストに出ることがわかっている人などは、練習に活用してみてはいかがでしょうか?